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肥満患者、人工関節全置換術による疼痛軽減効果は適正体重患者と同程度

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2017年08月08日 AM10:00

肥満でも人工関節置換術前の減量は必須ではない?

変形した膝関節や股関節を人工関節と入れ替える人工関節全置換術を予定している肥満患者は、手術前に減量するよう助言されることが多い。しかし、減量しないで手術を受けたとしても、手術による関節の疼痛の軽減効果は適正体重の患者と同程度であることが新たな研究で示された。詳細は「Journal of Bone and Joint Surgery」7月9日号に掲載された。


画像提供HealthDay

研究論文の筆頭著者である米マサチューセッツ大学のWenjun Li氏は、この結果を踏まえ「高度の肥満患者でも人工関節全置換術を受けるベネフィットは大きい」と強調。「できる限り減量はした方が良いが、関節の痛みに苦しむ高度の肥満がある患者にとって、運動に取り組むのは簡単なことではない。また、減量に長期間かかり、その間に関節の状態がさらに悪化してしまう場合もある。早期に手術を受けることができれば、機能が回復し、肥満にも対処できるようになる」と説明している。

Li氏らは今回、2011年5月~2013年3月に米国内で人工股関節全置換術を受けた2,040人(平均年齢65歳、14%が高度または病的肥満)と人工膝関節全置換術を受けた2,964人(平均年齢69歳、25%が高度または病的肥満)について、術前および術後の機能や関節の疼痛の評価スコアを調べた。患者は体格指数(BMI)を指標として(1)高度または病的肥満、(2)、(3)過体重、(4)適正体重またはそれ以下-に分類した。

その結果、肥満度が高度になるほど術前の疼痛レベルが高かったが、手術から6カ月後までに得られる疼痛の軽減効果は増大することが示された。患者が高度または病的肥満であっても、適正体重であっても、手術から6カ月後の平均疼痛スコアは同程度だった。また、人工膝関節全置換術を受けた患者では、手術による機能の改善効果も肥満患者と適正体重の患者との間に差はないことが示された。

なお、これまでに肥満患者では術後の感染リスクがわずかに高いことが報告されているという。しかし、Li氏らは「肥満であることだけを理由に人工関節全置換術を回避すべきではない」と結論。共同研究者で同大学整形外科・リハビリテーション科教授のPatricia Franklin氏は「今回、肥満患者でも術後かなり疼痛が軽減され、機能も改善することが分かった。手術のベネフィットはリスクを上回ることを患者も知っておくべきだ」と話している。(HealthDay News HealthDay News 2017年7月24日)

▼外部リンク
Obese Don’t Have to Lose Weight Before Joint Replacement: Study

HealthDay
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