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前立腺肥大症ホルモン系治療薬、2型糖尿病・心疾患・脳卒中リスクを増大させる可能性

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2017年07月14日 AM10:00

前立腺肥大症のホルモン系治療薬で血糖値上昇

広く使用されている前立腺肥大症のホルモン系治療薬が、2型糖尿病や心疾患、脳卒中のリスクを増大させる可能性があることが小規模研究で示唆された。この研究では、男性ホルモンの産生を阻害する5α還元酵素阻害薬のデュタステリドを長期間使用した男性において、血糖値や「悪玉コレステロール」として知られているLDL-コレステロール()値の上昇が認められたという。


画像提供HealthDay

この研究は、米ボストン大学医学部泌尿器科教授のAbdulmaged Traish氏らが実施したもの。ドイツの泌尿器科単施設で前立腺肥大症の治療を受けた47~72歳の男性460人を後ろ向きに追跡した。このうち半数は5α還元酵素阻害薬のデュタステリド、残りの半数は異なる作用機序をもつ前立腺肥大症治療薬であるタムスロシンを処方されていた。追跡期間は36~42カ月で、この間3~6カ月ごとに血液検査が行われた。

その結果、デュタステリド群ではタムスロシン群と比べて下部尿路症状(LUTS)や国際前立腺症状スコア(IPSS)、前立腺特異抗原(PSA)の有意な改善が認められた。しかし、長期のデュタステリド使用によって血糖値やHbA1c値、LDL-C値などが有意に上昇することが示されたという。ただ、この研究は後ろ向き観察研究であるため、因果関係が認められたわけではない。

Traish氏によると、デュタステリドには前立腺肥大症に関連するホルモンの1つであるジヒドロテストステロン(DHT)の産生を減少させ、前立腺をおよそ18~20%縮小させる効果がある。しかし、DHTは肝臓をはじめとする他の器官の機能においても重要な役割を担っており、DHTの減少が健康に未知の影響をもたらす可能性はあるとしている。なお、タムスロシンはホルモンには影響せず、前立腺の平滑筋組織を弛緩させることにより効果を発揮する薬剤である。

今回の研究結果を踏まえ、同氏は「5α還元酵素阻害薬であるデュタステリドやフィナステリドによる治療を開始する前に、医師は患者と十分話し合うべきである」と強調。また、同氏自身も前立腺肥大症の治療ではタムスロシンを最初に処方する気持ちに傾いているとしている。

一方、米マウントサイナイ・アイカーン医科大学のAshutosh Tewari氏は、この結果について「これまでに報告されている大規模臨床試験の結果とは矛盾しており、現在の治療法に変更を迫る結果ではない」と指摘。「今回の研究はランダム化比較試験ではなく、プラセボとの比較が行われていないほか、規模も小さいため、今後より大規模な研究で検証する必要がある」としている。

この研究結果は「Hormone Molecular Biology and Clinical Investigation」6月21日オンライン版に掲載された。(HealthDay News 2017年6月29日)

▼外部リンク
Some Prostate Drugs May Do Harm

HealthDay
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