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日本東洋医学会作成の漢方薬エビデンス バイアスリスク「少なくない」

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2017年07月13日 PM03:00

48件のRCT「割付の順序」など7項目でバイアスを評価

京都大学大学院 医学研究科 健康情報学講座の保坂政嘉氏らは、日本東洋医学会EBM委員会が作成している漢方薬エビデンスレポート()をもとに、がん支持療法に関するエビデンスの質を検討、現状では全体としてバイアスリスクが少なくないとの検討結果を6月に名古屋で開催された第68回日本東洋医学会学術集会で発表した。

日本東洋医学会EBM委員会では現在、医療用漢方薬に関するランダム化比較試験(RCT)の構造化抄録を漢方薬エビデンスレポート(EKAT)として同学会HPで公開している。保坂氏らは、日本医療研究開発機構(AMED)の「統合医療」に係る医療の質向上・科学的根拠収集研究事業委託研究開発事業の平成28年度助成金を受け、EKATに記載の医療用漢方薬に関する48件のRCTについて、(1)割付の順序(2)割付の隠蔽(3)参加者と研究者の盲検化(4)アウトカム評価者の盲検化(5)不完全なアウトカム(6)選択的な報告(7)その他のバイアス、の7つのバイアス評価項目と、経済性、資金源、利益相反などを加えた「advanced EKAT」として、その質を評価した。

主要評価項目の明記があったものは全体の17%にとどまる

48件のRCTの部位別内訳は、大腸がんが14件と最多で、以下は順に胃がんが8件、肺がんが6件、婦人科系がんが5件、乳がんが4件、肝臓がんが3件、泌尿器系がんが2件、、すい臓がんが各1件だった。

これらのRCTで用いられていた漢方薬は十全大補湯が25%(13件)、人参養栄湯が18%(9件)、補中益気湯が16%(8件)、大建中湯が12%(6件)、牛車腎気丸が10%(5件)、その他が20%(10件)。三大補剤の十全大補湯、人参養栄湯、補中益気湯で全体の59%を占めていた。

このうち主要評価項目の明記があったものは全体の17%、8件にとどまり、いずれも2010年以降に発表されたものだった。バイアスリスク項目の中で高かったものは、割付の隠蔽、参加者と研究者の盲検化、アウトカム評価者の盲検化、選択的な報告など。また、資金源、利益相反の記載は、それぞれ15%、17%だった。今後はEKATの他の領域の構造化抄録についても「advanced EKAT」を実施していく計画だ。

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