医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 中等~重度の活動性関節リウマチ患者対象の8 つの臨床試験の新規データ発表-米リリー

中等~重度の活動性関節リウマチ患者対象の8 つの臨床試験の新規データ発表-米リリー

読了時間:約 1分42秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年06月22日 PM02:00

・自己免疫疾患を対象とする臨床試験を実施中のJAK阻害剤

米国のイーライリリー・アンド・カンパニーは6月16日、「Olumiant(R)」(一般名:バリシチニブ)の8つの臨床試験結果の新たな併合解析データを発表した。このデータは、欧州リウマチ学会議(EULAR)2017年次総会において、口頭および2つのポスターにより発表された。

バリシチニブは、1日1回経口投与のJAK阻害剤。現在、炎症性疾患および自己免疫疾患を対象とする臨床試験が行われている。同剤は、2016年に米国、EU、日本の規制当局に対して、関節リウマチを適応とした販売承認申請が行われ、2017年2月にEUで承認されている。

重篤な感染症の発現率は同等、有効性の維持と有益性が示される

4つの第3相臨床試験、3つの第2相臨床試験、1つの第1相臨床試験からなる完了した8つのバリシチニブの臨床試験と、長期継続試験から得たデータの併合解析により、バリシチニブ投与群とプラセボ投与群で、重篤な感染症の発現率は同等であったことが示されたという。治療開始からの24週間、6つの臨床試験において、バリシチニブ(4mg)投与群とプラセボ投与群の重篤な感染症の発現率は、100人年ごとにそれぞれ3.8および4.2。また、一連の4つの臨床試験では、100人年ごとの重篤な感染症の発現率は、プラセボ投与群では5.1であったのに対し、バリシチニブ2mg投与群と4mg投与群ではそれぞれ4.2および5.7だった。また、副腎皮質ステロイドの併用、生物学的製剤の使用歴、正常範囲外のBMI(体格指数)、アジア地域からの参加および加齢が、重篤な感染症の主な危険因子であることも確認されたという。

中等度から重度の活動性関節リウマチ患者を対象とするバリシチニブの長期継続試験に関する2つの発表からは、2年の治療期間にわたるバリシチニブの有効性の維持と長期にわたる有益性が示された。1つ目の解析結果によると、バリシチニブ投与開始後2年時の関節の構造的破壊の進行をvan der Heijde modified total sharp score(mTSS)で評価したところ、バリシチニブ投与群では、最初にプラセボまたはメトトレキサートを投与してからバリシチニブ投与に切り替えた群と比較して、2年にわたり、有意に進行が抑制されていた。2年間の長期継続試験の2つ目の解析結果では、最長3年間バリシチニブによる治療を受けた患者において、各試験においてさまざまな治療群で24週時に得られた低疾患活動性を達成した患者の割合は、3年にわたり維持または増加した。また、ほとんどの患者は、長期継続試験への登録前に治療への反応を示し、継続試験の2年間、その反応を維持したことが示されたとしている。(大場真代)

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • アレセンサ、ALK陽性早期非小細胞肺がん初の術後補助療法でFDA承認-中外
  • 全身型重症筋無力症治療薬ヒフデュラ配合皮下注を発売-アルジェニクス
  • バビースモ、網膜色素線条P3試験で主要評価項目達成-中外
  • 婦人科疾患の診断や不妊治療に有用な免疫検査パネルを発売-シスメックスほか
  • 新型コロナの次世代 mRNA ワクチン「コスタイベ筋注用」、国内第Ⅲ相試験で既存オミクロン株対応2価ワクチンに対する優越性検証を達成-Meiji Seika ファルマ