医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 海外 > 数種類の降圧薬を低用量ずつ使用することで、優れた効果を発揮か

数種類の降圧薬を低用量ずつ使用することで、優れた効果を発揮か

読了時間:約 1分40秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年06月14日 AM10:00

降圧薬は1種類よりも「低用量を2種類以上」が良い?

複数の種類の降圧薬を低用量ずつ組み合わせて使用した方が、1種類の降圧薬を標準用量で使用するよりも降圧効果が優れている可能性が、ジョージ・グローバルヘルス研究所(オーストラリア)のAnthony Rodgers氏らによる研究で示された。


画像提供HealthDay

同氏らは今回、過去に発表された研究データを合わせて分析する「」を実施した。解析対象は、42件のランダム化比較試験(RCT)に参加した成人の高血圧患者2万284人。アンジオテンシン変換酵素()阻害薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬()、サイアザイド系利尿薬、カルシウム拮抗薬など、さまざまな種類の降圧薬が使用されていた。

解析の結果、2種類の降圧薬を低用量(標準用量の4分の1)ずつ用いた併用治療による降圧効果は、標準用量の単剤治療と同程度であることが示された。また、低用量の降圧薬を併用する場合、薬剤の種類が増えるほど降圧効果が高まることも分かった。4種類の降圧薬を低用量ずつ用いた併用治療では、標準用量の単剤治療と比べて収縮期血圧(SBP)が22.4mmHg、拡張期血圧(DBP)が13.1mmHg低下することを示したRCTも1件あった。

一方、有害事象に関しては、低用量を1種類あるいは2種類用いた治療の方が標準用量を1種類用いた治療よりも頻度が低かった。ただ、低用量を4種類用いた場合については十分な情報が得られなかったとしている。

降圧薬はいずれも単独では効果が不十分な場合が多く、高用量になると副作用が問題となることも珍しくない。今回の研究結果を踏まえ、Rodgers氏らは「低用量でも複数の種類の降圧薬を併用することで、大きな効果を得ることができるのではないか」と結論づけている。

今回の研究には関与していない循環器専門医である米ワシントン大学(シアトル)のEugene Yang氏は、この結果について「異なる種類の降圧薬を併用することで、相乗効果が生まれるようだ」との見方を示している。ただし、同氏は解析に含まれたRCTの追跡期間は最長でも2週間であったことなどを指摘。より大規模な長期の研究を実施する必要があるとしている。

さらに同氏は研究の弱点として、解析に含まれたRCTのほとんどが17年以上前に完了した試験であることも指摘。この他、複数の論文著者が製薬企業から資金援助を受けていることなどについても言及している。

この研究結果は「Hypertension」オンライン版に6月5日掲載された。(HealthDay News 2017年6月5日)

▼外部リンク
Moving Toward a Better Blood Pressure Pill

HealthDay
※掲載記事の無断転用を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 海外

  • 米俳優の訴訟で話題のガドリニウム含有MRI用造影剤、脳神経への影響は認められず
  • 患者の満足度、新しい薬の処方や他の医師への紹介を断られた場合に最も低下
  • 大気汚染が男性不妊の原因となる可能性
  • ショ糖が心疾患・膀胱がんリスクを高めることを示唆した研究結果、米業界団体が隠蔽か
  • 遺伝子変異のあるアーミッシュは平均寿命が10年長く糖尿病が少ないことが明らかに