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原発性免疫不全症に対する造血幹細胞移植、有効性と問題点を解明-広島大

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2017年06月14日 PM02:30

CMCD患者の約半数で認められるSTAT1-GOF変異

広島大学は6月9日、-GOF変異を持つ慢性皮膚粘膜カンジダ症(CMCD)患者における、造血幹細胞移植の有効性と問題点を検討し、その研究結果を発表した。この研究は、同大学と東京医科歯科大学、南フロリダ大学、&シアトル小児病院との国際共同研究によるもの。研究成果は、「The Journal of Allergy and Clinical Immunology」に掲載された。


画像はリリースより

原発性免疫不全症であるCMCDでは、患者の約半数でSTAT1遺伝子の機能が亢進する変異(GOF変異)が認められる。このSTAT1-GOF変異を持つ患者が、CMCD以外に細菌、真菌、ウイルスによる感染症、自己免疫疾患などを合併し、一部の症例では生命が脅かされるほど重篤になったり、自己免疫疾患を発症したりすることが近年明らかになっていた。

移植後3年の全生存率は40%

研究グループは、STAT1-GOF変異を有し、重篤な臨床経過のため造血幹細胞移植が施行された患者を診療する主治医を対象に、質問紙による調査を実施。12施設から回答があり、調査対象となった患者は15例(男性9例、女性6例)、うち4例は日本人だったという。

調査の結果、15例の患者で、のべ19回の造血幹細胞移植が行われていた。移植により骨髄再構築が得られた5人の患者では、移植前の諸症状が消失したことから、造血幹細胞移植は原疾患の治療に有効であることがわかった。しかし、移植後3年の全生存率(OS)は40%(6/15)と低かったという。また、移植後の感染症を中心とした合併症(二次性生着不全)での死亡や、血球貪食症候群での死亡が数例確認されている。

今回の調査で、STAT1-GOF変異を有する患者の原疾患に対する根治療法として、造血幹細胞移植の有効性が明らかとなった。しかし、移植関連死亡のリスクが高く、現時点では造血幹細胞移植の適応は限定的とされる。なかでも二次性生着不全は同疾患における特徴的な移植関連合併症と考えられ、この発症メカニズムの解明、予防法の開発が重要であり、これらの課題に継続して取り組んでいきたい、と研究グループは述べている。

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