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アレセンサ、ALK融合遺伝子陽性NSCLC対象のP3試験成績をASCOで発表-ロシュ

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2017年06月08日 PM02:15

アレセンサとクリゾチニブの有効性および安全性を比較

中外製薬株式会社は6月6日、スイス・F.ホフマン・ラ・ロシュ社が実施したALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん患者対象の「(R)」(一般名:)の第3相試験「ALEX試験」の成績が、米国臨床腫瘍学会年次総会()で同日、発表されると公表した。

ALEX試験は、一次治療におけるアレセンサとクリゾチニブの有効性および安全性を比較する国際共同第3相非盲検ランダム化比較試験。未治療のALK融合遺伝子陽性の非小細胞肺がん患者303名が登録され、アレセンサ投与群とクリゾチニブ投与群の2群に1:1で割付けられた。主要評価項目は治験参加医師判定によるPFS、副次的評価項目は独立効果判定委員会判定によるPFSおよび中枢神経病変の病勢進行までの期間、奏効率、全生存期間、安全性など。

中枢神経病変の病勢進行または死亡リスクが84%低下

有効性は、治験参加医師判定において、クリゾチニブ投与群に対しアレセンサ投与群で、病勢進行または死亡リスクが53%低下(HR=0.47、95%CI:0.34-0.65、層別log-rank検定、p<0.0001)。PFS中央値は、アレセンサ投与群では最初のデータカットオフ日の段階では中央値に到達せず(95%CI:17.7-未到達)、クリゾチニブ投与群では11.1か月(95%CI:9.1-13.1)。

独立効果判定委員会判定では、クリゾチニブ投与群に対しアレセンサ投与群で病勢進行または死亡リスクが50%低下(HR=0.50、95%CI:0.36-0.70)。PFS中央値は、アレセンサ投与群では25.7か月(95%CI:19.9-未到達)、クリゾチニブ投与群では10.4か月(95%CI:7.7-14.6)。中枢神経病変の病勢進行または死亡リスクは、クリゾチニブ投与群に対しアレセンサ投与群で84%低下(HR=0.16、95%CI:0.10-0.28)。全生存期間については、イベントの出現が1/4に留まっており、現時点では評価不十分だという。

アレセンサは、中外製薬が創製したALK選択性の高い経口ALK阻害剤。チロシンキナーゼ活性を選択的に阻害することにより腫瘍細胞の増殖を阻害し、細胞死を誘導することで抗腫瘍効果を発揮する。さらに同剤は、血液脳関門で認識されないため、中枢神経系においても活性があり、脳転移に対しても有効性が確認されている。

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