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アルツハイマー病患者の肺炎発症リスク、ベンゾジアゼピン系薬の使用者は28%高く

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2017年04月20日 AM10:00

ベンゾジアゼピン系薬でアルツハイマー病患者の肺炎リスク上昇か

アルツハイマー病患者がベンゾジアゼピン系薬を服用すると肺炎リスクが高まる可能性があると、新たな研究で警告されている。ベンゾジアゼピン系薬には、アルプラゾラム(商品名:ソラナックスなど)、クロナゼパム(同リボトリールなど)、ジアゼパム(同セルシンなど)、ロラゼパム(同ワイパックス)などがあり、アルツハイマー病患者では長期にわたり投与されることが多い。


画像提供HealthDay

研究著者である東フィンランド大学クオピオ老年医療研究センターのHeidi Taipale氏らは、「肺炎リスクの上昇はアルツハイマー病患者の治療において考慮すべき重要な所見である。肺炎は入院につながることも多く、認知症患者では肺炎関連の死亡リスクも高い」と述べている。

今回の研究では、フィンランドで2005~2011年にアルツハイマー病と診断された患者4万9,484人のデータを検討した。患者の平均年齢は80歳で、3分の2が女性であった。解析の結果、ベンゾジアゼピン系薬を使用するアルツハイマー病患者では、使用していない患者に比べて、肺炎を発症するリスクが28%高かった。肺炎の発症リスクは投薬開始から最初の30日間で最も高くなることも分かった。

同氏らによると、この知見はこれまでの研究報告にも一致する。ベンゾジアゼピン系薬の鎮静作用により、この薬を服用した患者では唾液や食物が誤って気管に入る(誤嚥する)可能性があり、そのために肺炎リスクが上昇するのではないかと推測しているという。「アルツハイマー病患者にベンゾジアゼピン系薬を投与する際は、そのベネフィットと肺炎を含めたリスクについて、慎重に考慮する必要がある」と、Taipale氏らは述べている。

今回の研究は「Canadian Medical Association Journal(CMAJ)」4月10日号に掲載された。

同誌の付随論説を執筆したトロント大学(カナダ)のPaula Rochon氏らは、「この研究は、医師がフレイル(虚弱)のある認知症の高齢者にこうした薬剤を処方しようとするときに『first do no harm(何よりも害を与えないこと)』という原則を思い出させるものである。アルツハイマー病患者の精神神経症状の管理には、まず非薬物療法を試すべきであり、それによりベンゾジアゼピン系薬の不適切な使用を制限できる」と指摘している。(HealthDay News 2017年4月10日)

▼外部リンク
Xanax, Valium May Boost Pneumonia Risk in Alzheimer’s Patients

HealthDay
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