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消防士、強烈な熱と極度の緊張で心筋梗塞のリスクが高まる可能性

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2017年04月12日 AM10:00

消防士では心筋梗塞のリスクが高い?

消防士は、強烈な熱さと極度の緊張に曝されることにより心筋梗塞のリスクが高まる可能性があると、新たな研究で示された。消火活動での身体的な負荷により血栓の形成が誘発され、血管機能が障害される可能性があるという。これらは心筋梗塞や脳卒中の危険因子とされる。


画像提供HealthDay

米国では、勤務中の消防士の年間死亡例の半数近くが心疾患によるもので、その多くは心筋梗塞であるという。

今回の研究では、燃えさかる建物から人を救助するときに消防士の身体に生じる生理的な変化を測定した。研究を率いた英エジンバラ大学のNicholas Mills氏は、「20分間の消防演習で深部体温は1℃上昇した。さらに、脱水して血液が濃縮されたため、ヘモグロビンも上昇していた」と話している。

研究の付随論説を執筆した米ハーバード大学准教授のStefanos Kales氏は、「この知見は消防士にかかる特有な心血管系へのストレスを浮き彫りにした。医療従事者はこうした点に十分な注意を払う必要があり、たとえば心疾患の徴候がみられる消防士は厳しい任務に参加させないなどの対策をとるべきだ」と指摘している。本研究は「Circulation」4月4日号に掲載された。

消防活動により心臓にかかる負担として、まず、緊急出動時にアドレナリンが急上昇し、心拍数や血圧が上がることが挙げられる。また、消防士は約20kgもある防火服を着用するため、その重さによる負荷に加え、身体の熱も発散できなくなる。さらに、現場では極度の高温や煙に含まれる毒素にも曝されると、Kales氏は付け加えている。

今回の研究では、英スコットランドの消防署に所属する健康な消防士17人を対象とした。参加者は1週間あけて2回の消防演習に参加し、400℃近い高温に曝されながら80kgの訓練用人形を救出した。演習の30分前と24時間後に心拍数と血圧を測定した結果、多くの参加者で血圧が低下し、凝血が亢進する傾向がみられた。

Mills氏らは、こうした変化は主に脱水と、体温を下げるために皮膚の血流が増加することが原因だと結論づけており、「これらの健康へのリスクは高温への曝露を制限し、身体を冷却して水分補給を行うことで、いくらかは低減できるかもしれない」と提案している。

さらに、「こうした環境は消防士に特有のものであり、この知見を一般の人に直接当てはめることはできないが、激しい身体活動と酷暑や大気汚染などの条件が重なれば、日常生活でもリスクが上昇する可能性はある」と同氏は述べ、気温が高いときに運動する場合は定期的に休憩をとって水分を補給し、運動後には身体を冷ますよう助言している。(HealthDay News 2017年4月3日)

▼外部リンク
For Firefighters, Another Danger: The Heart

HealthDay
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