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BMIが5%以上低下すると、腹圧性尿失禁の発症・持続のリスクが50%低減

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2017年01月13日 AM10:00

体型と筋力の維持が尿失禁リスクを低減

尿失禁は高齢女性によくみられる疾患だが、スリムな女性や筋力のある女性はそのリスクが低い可能性のあることが、新たな研究で示唆された。


画像提供HealthDay

今回の研究では、70代女性1,500人弱を3年間追跡した結果、ボディ・マス・インデックス(BMI)が追跡期間中に5%以上低下すると、腹圧性尿失禁の新規発症または持続のリスクが50%低減することがわかった。BMIの5%の低下とは、たとえば身長が約168cmで体重が約80kgの女性の場合、体重約4kgの減量に相当する。また、全般的な筋力の指標とみなされている握力が5%低下すると、腹圧性尿失禁のリスクが60%増大することもわかった。

研究の筆頭著者である米カリフォルニア大学サンフランシスコ校(UCSF)のAnne Suskind氏によると、身体組成や握力の変化は腹圧性尿失禁の比率の変化に関連しているが、切迫性尿失禁との関連はみられないという。腹圧性尿失禁は、腹圧(咳、大笑い、くしゃみなど)により不随意の尿漏れが生じるもので、切迫性尿失禁は急激な尿意とともに尿漏れが生じるもの。この2つは発症機序や治療法が異なり、区別することが重要だとSuskind氏は指摘している。

今回の研究では、研究開始時点で70~79歳の女性1,475人を対象とした。212人に1カ月以上続く腹圧性尿失禁があり、233人に1カ月以上の切迫性尿失禁があった。尿失禁のある人の平均BMIは約28であり、尿失禁のない人は27.5とやや低かった。3年間の追跡後、1,137人が継続して研究に参加しており、164人に腹圧性尿失禁、320人に切迫性尿失禁がみられた。

減量をすれば、70代でも膀胱の圧迫が軽減され、腹圧性尿失禁を改善できると、著者らは述べている。同様に、握力は全身の筋力を示しており、膀胱筋の強度を上げることにより腹圧に抵抗できると考えられる。ただし、いずれの因子も切迫性尿失禁との関連はみられなかった。

米国婦人科泌尿器学会(AUGS)のMegan Schimpf氏は、原因にかかわらず、尿失禁のみられる女性は医師の診察を受ける必要があると話している。多くの女性は失禁が起こるのは普通のことだと考えているが、実際はさまざまな治療法がある。また、、人工甘味料入り飲料は膀胱を刺激し、過活動膀胱を引き起こすことがあるという。今回の研究から、減量と筋力強化も有効な治療だとSuskind氏は述べている。

この研究は「Journal of the American Geriatrics Society」に2016年11月掲載された。(HealthDay News 2016年12月30日)

▼外部リンク
Staying Trim, Strong May Cut Risk of Urinary Incontinence

HealthDay
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