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がん化学療法実施中の頭皮冷却により、脱毛を回避

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2016年12月20日 AM10:00

」で乳がん患者の脱毛を予防

乳がんの化学療法中に専用のキャップで頭皮を冷却することにより、脱毛を回避できる可能性があることが新たな研究で示唆された。研究著者である米ベイラー医科大学、レスター&スー・スミス乳房センター(ヒューストン)助教授のJulie Rani Nangia氏は、「髪が抜けると周囲に病気を知られてしまい、周りからの見る目も変わってしまう」と話す。今回の研究は、冷却キャップPaxman Coolingの製造元による支援を受けて実施された。


画像提供HealthDay

(ACS)によれば、米国には約280万人の乳がんサバイバーがいるという。今回の研究では、ステージ1または2の乳がんでアントラサイクリン系またはタキサン系薬をベースとする化学療法を少なくとも4回受ける予定の女性235人を登録した。このような化学療法薬は急速に分裂する細胞を攻撃するため、がん細胞だけでなく毛嚢も攻撃してしまい、脱毛を引き起こすことがある。

頭皮冷却法は欧州では一般的に用いられており、頭皮の温度を下げて毛嚢への血流を低下させることにより脱毛を軽減すると考えられている。米国では別ブランドの冷却キャップDigniCapが2015年12月に米国食品医薬品局(FDA)の認可を受けている。

今回の研究では、被験者の3分の2に頭皮冷却を実施し、残りの3分の1は冷却を実施しなかった。4サイクルの化学療法の実施後、冷却群では50.5%の患者に頭髪の保持が認められたのに対し、非冷却群では1人も認められなかった。

このキャップは、化学療法の開始30分前から終了90分後まで頭部に装着し、頭皮を約18℃まで冷やす。頭痛や不快感などの副作用は軽度であった。主な欠点は化学療法にかかる合計時間が1時間長引くことだという。また、キャップを患者の頭部に完全にフィットさせないと効果に影響が出ると、Nangia氏は指摘している。頭皮冷却法は他国では別の固形がんにも用いられているが、血管を収縮させるため血液がん患者には推奨されない。今後は被験者を5年間追跡して全生存率や再発について監視する予定とのこと。

非営利の乳がん支援団体の代表であるSusan Brown氏は、キャップの費用(1人あたり1,000ドルを超える場合もあるという)が一部の患者には障壁となる可能性があると指摘する一方、女性にとって重要な選択肢となるとの考えを示している。今回の研究は、米テキサスで開催されたサンアントニオ乳がんシンポジウムで12月9日発表された。学会発表された研究は一般に医学誌未掲載であり、結果は予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2016年12月9日)

▼外部リンク
Cold Caps’ May Halt Hair Loss in Breast Cancer Patients: Study

HealthDay
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