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免疫チェックポイント阻害薬投与後に心臓障害、発生は極めて稀

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2016年11月17日 AM10:00

免疫チェックポイント阻害薬で稀に心臓リスク、初回投与後のメラノーマ患者2例が死亡

免疫系を刺激してがんを撃退する強力な薬剤が、稀に心臓に危険をもたらす恐れがあると、新たな研究で報告された。


画像提供HealthDay

該当する薬剤は免疫療法と呼ばれるもので、近年のがん治療を大きく変え、選択肢のほとんど残されていない患者の一部を寛解へと導いてきた。しかし、「New England Journal of Medicine」11月3日号の報告では、進行メラノーマ()患者がオプジーボ(一般名:ニボルマブ)およびヤーボイ(イピリムマブ)の1回目の投与を受けた2週間後に心疾患で死亡した2症例について記載されている。

1人は65歳女性で、頻拍および臓器不全を来した後に死亡。もう1人は63歳男性で、突発性心停止(SCA)が2回生じた後に死亡した。心臓への血流が遮断されて組織障害が生じる心筋梗塞とは異なり、突発性心停止では心臓の拍動が突然すべて停止する。報告によると、米国で販売されている2つの類似する薬剤であるTecentriq(一般名:)およびKeytruda()も同様の危険をもたらす可能性があるという。

ただし、心臓障害の発生は極めてまれで、現時点で1%未満。2つの薬剤を同時に投与した場合にリスクが最も高くなるようだという。研究グループは、この合併症によって薬剤によるがん患者への便益が損なわれることはないと強調している。

研究上席著者である米ヴァンダービルト大学医学部(ナッシュビル)のJavid Moslehi氏は、ニューヨークタイムズ紙に対し、「われわれの仕事はこの薬を悪者にすることではなく、『どう対処できるか』と考えることである」と語っている。該当の薬剤を使用するときは、患者を注意深く監視し、問題が認められれば直ちに免疫反応を弱める薬剤で治療する必要があるという。

米ジョージタウン大学ロンバルディ総合がんセンター(ワシントンD.C.)のMichael Atkins氏はAP通信に対し、この薬剤による心臓障害は管理可能であるとの考えを示している。死亡した2人のうち1人を対象とする研究を監督した同氏は、「これはまれな事象であるが、特に深刻な事象の1つである」と述べている。(HealthDay News 2016年11月3日)

▼外部リンク
Powerful Cancer Drugs Linked to Rare Heart Risks

HealthDay
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