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iPhoneアプリでインフル罹患状況を調査、約5年で1万3,000人程度を予定-順大

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2016年11月07日 PM01:00

質問項目と測定項目を組み合わせ、科学的疑問の解明試みる

順天堂大学は11月2日、Appleが医療や健康に関する研究用に設計したオープンソースソフトウェアフレームワーク「(R)」を採用したインフルエンザ調査用iPhoneアプリケーション「」を開発したと発表した。


画像はリリースより

同アプリは、質問項目と測定項目とを組み合わせ、インフルエンザに関する重要な科学的疑問の解明を試みることを目的に開発。得られたデータから、インフルエンザ予防や治療に便利な情報を利用者にフィードバックすることで、利用者の健康管理にも貢献できるように設計されている。研究期間は2016年11月から2021年9月、被験者数は一般健常iPhoneユーザー1万3,000人程度を予定。

同アプリでは、利用者に対し、まず初めに、ワクチンの接種状況など簡単なアンケート調査を行う。その後、利用者がインフルエンザに罹ってしまった時には、その時の症状や処方された薬剤などについて、追加でアンケート調査を行うほか、30日ごとにインフルエンザ罹患状況やワクチン接種状況などを確認する。

比較的狭いエリアの発生状況を確認可能に

同アプリを通して得た回答結果や、インフルエンザに罹患した際の最寄りの気温・湿度情報・歩行速度など複合的な情報をもとに、今後、インフルエンザ罹患者数やワクチンの効果、インフルエンザ罹患の危険因子をはじめとしたインフルエンザに関する重要な科学的疑問の解明を試みるとしている。

また、収集データはアプリ内で即座に分析し、利用者に地域ごとのインフルエンザ発生状況をフィードバックする。このインフルエンザ発生状況は、同アプリ利用者のデータから推測するため、一般的なインフルエンザ流行情報とは異なるが、気になる地域を登録しておくことで、例えば勤務先や子どもの通学先など比較的狭いエリアの発生状況を確認することも可能になる。アプリに体温を記録できる機能も付与。インフルエンザに罹患した時に、同アプリが体調管理の一助となれるように工夫している。

アプリ利用者には、調査研究の内容・回答データの取扱いなどを項目別にわかりやすく説明した後で同意署名をもらうなど、調査研究参加にあたり十分なインフォームドコンセントを行う。位置情報については、個人情報保護に配慮して、すべて郵便番号として収集。研究結果発表などの際は、さらに市町村単位に変換するなどの追加処置を行う予定としている。

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