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【ディオバン問題】高血圧学会がVART研究の主論文を撤回

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2016年08月16日 PM12:00

責任著者の小室氏「現存するデータでは適切に訂正することができないhonest errorがある」


高血圧治療薬「(一般名:)」に関する論文不正問題で、日本高血圧学会は8月15日、Hypertension Research誌に掲載されたVART研究に関する論文(Vol 34: 1179-1184, 2011)について、責任著者の小室一成氏(東京大学大学院医学系研究科 器官病態内科学講座 循環器内科学教授)からの「現存するデータでは適切に訂正することができないhonest errorがあるため取り下げる」との申し出を受け、編集委員会および理事会で検討した結果、論文を撤回することを発表した。

VART研究については、千葉大学が2014年7月にまとめた臨床研究「VARTstudy」に関する国立大学法人千葉大学研究活動の不正行為対策委員会最終報告」において、

主論文には「明らかな誤り」、「千葉大学病院における原資料とデータセットの照合から明らかとなったデータの不一致」、「論文とデータセットとの比較で明らかとなったデータの不一致」、そして、「統計解析方法の妥当性の問題」が存在する。したがって、主論文の結論は信頼性に著しく欠け、その科学的価値も乏しい。(同報告書より)

として論文の取り下げ勧告を行っている。

また、これを受けて、日本高血圧学会でも理事会及び倫理委員会、Hypertension Research 編集委員会において検討。「当学会による調査によっても捏造、改竄などの明らかな研究不正行為の存在は現在までのところ確認されておりません。また、小室会員が当学会倫理委員会に提出した千葉大学の報告書に対する反論書によれば、結論の当否はともかく当該報告書の内容について議論の余地があることが窺えます」と一定の理解を示しつつも、「同研究の主任研究者として、各研究者への監督について不適切な点があったことが認められます。また、COIについても、当時と現在の基準が異なるとはいえ配慮の不足が認められます」とし、小室氏に対し、厳重注意処分を下している。

ディオバン問題に関しては、VART研究とは別の臨床試験である「Kyoto Heart Study」で臨床データを改ざんしたとして、ノバルティス ファーマと同社元社員が薬事法違反の罪に問われ、公判が続いている。(QLifePro編集部)

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