医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 海外 > アイスバケツチャレンジブームがALSに残したもの

アイスバケツチャレンジブームがALSに残したもの

読了時間:約 1分32秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年08月10日 AM10:00

」がALS研究に貢献

)の研究費用を集める目的で開始され、大きなブームとなった「アイスバケツチャレンジ」は、大勢の人に頭から氷水を被らせるだけでは終わらなかった。この運動により提供された資金を用いた研究で、実際に重要なALS遺伝子が発見されたのである。


画像提供HealthDay

米国ALS協会は、アイスバケツチャレンジの寄付金を、ALS患者1万5,000人以上のゲノム配列解析を行う取り組みである「プロジェクトMinE」に提供した。その成果として、ALSの家族歴のみられる約1,000家系を対象にALSのリスク遺伝子を探索した結果、NEK1と呼ばれる遺伝子が発見されたことが報告された。さらに、家族歴のないALS患者1万3,000人以上の遺伝子検査でも、NEK1遺伝子変異の過剰発現が認められたという。

研究を率いた米マサチューセッツ大学ウースター校のJohn Landers氏は、「アイスバケツチャレンジの寄付金により科学者の世界的連携が実現し、この重大な発見につながった」と述べ、「非常に多くの人々が力を合わせ、ALSの原因究明に尽くしたことによって成功を得られた最高の事例である。この分野では、今後もますますこのような共同研究の実施を目指していく」と説明している。

NEK1遺伝子は現在、ALSに関連する最もよくみられる遺伝子の1つであり、ALSの治療法開発の新たな標的にもなると、研究グループは付け加えている。ALSは、ルー・ゲーリッグ病とも呼ばれ、脳と脊髄の神経細胞を侵す進行性の神経変性疾患である。通常、診断から2~5年以内に全身麻痺および死亡に至る。ALSの10%は遺伝性と推定されるが、90%の患者には家族歴がない。しかし、直接的または間接的に遺伝子が関与している症例は10%よりも多い可能性が高いという。

米国ALS協会のLucie Bruijn氏は、「NEK1の発見はALS研究における“”の価値を印象づけるものである。今回の発見をもたらした最新の遺伝子解析は、膨大な数のALSサンプルを利用できてこそ可能なものであった」と述べている。

11カ国80人以上の研究者が関与した今回の研究は、「Nature Genetics」オンライン版に7月25日掲載された。(HealthDay News 2016年7月27日)

▼外部リンク
‘Ice Bucket Challenge’ Funds a Boon to ALS Research

HealthDay
※掲載記事の無断転用を禁じます。
このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 海外

  • 米FDA「Qelbree」承認、子どものADHD患者対象としては10年ぶり
  • 血液型は新型コロナのリスクと「無関係」-米国10万8,000人弱の患者データから
  • コロナ回復後の呼吸器以外の臓器に対する影響、再入院数などを明らかに-英国報告
  • 歯周病が高血圧の原因に!?その意外な理由とは
  • 転倒で死亡する高齢者が急増。転倒リスクを高める可能性のある薬剤とは?