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米国の医療機器メーカーGraphic Controlsを買収-日本写真印刷

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2016年08月10日 PM12:00

グローバルベースでの成長が見込まれる

日本写真印刷株式会社は8月5日開催の取締役会で、同社の連結子会社のNissha Medical International, Inc.を通じて、WestView Capital Partners II, L.P.他より、持株会社であるGraphic Controls Holdings, Inc.の株式を取得し、対象会社およびその傘下にある事業会社のGraphic Controls Acquisition Corp.およびそのグループ会社を子会社化することを決議した。


画像はリリースより

日本写真印刷は、2015年4月から運用を開始した3カ年の第5次中期経営計画において、「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる」というビジョンを掲げ、バランス経営の観点から持続的かつ安定的に収益を確保することのできる事業基盤の確立を急いでいる。M&Aは事業ポートフォリオを組み換えるうえで有効な手段のひとつであり、同計画でM&Aに予算枠を設けるとともに、その対象としてグローバルベースで成長が期待されるメディカル市場の研究・調査を進めてきた。

Graphic Controlsグループは、米国に本社を置く医療機器メーカー。1909年の創業以来、印刷を始めとする加工技術をビジネスメディアや医療機器などの分野に応用し、事業領域を拡大してきた。現在の主力である医療機器分野では、病院などの医療機関向けに自社ブランド品を生産・販売するとともに、大手医療機器メーカー向けの受託生産事業を展開している。同社が手がける医療機器分野は、高齢化社会の進展や予防医療の普及などを背景に、今後はグローバルベースで成長することが見込まれている。また、大手医療機器メーカーは研究開発に注力し、生産は他社メーカーに委託するケースが増加している。自社ブランド品と受託生産品の双方を手がける同社は、今後も安定した成長が期待される。

2016年8月下旬に買収を完了予定

今回の買収を通じて、日本写真印刷は医療機器分野の製品群と市場を事業ポートフォリオに取り込むとともに、グローバルベースでの販路を獲得。今後は、Graphic Controls グループを足がかりにメディカル市場での事業拡大を図り、既存のコンシューマー・エレクトロニクス分野とのバランスの取れた事業基盤を構築する。

また、同社の主力製品であるディスポーザブル電極や手術用器具などの製品には、日本写真印刷のコア技術との親和性が高いフィルムへのパターン形成や射出成形などの加工技術が活用されていることから、中期的には両社のコア技術を融合し、生産効率の改善や新製品の開発などの取り組みを加速するとしている。

買収額は135百万米ドルで、必要な手続きを経たうえで2016年8月下旬に買収を完了する予定。なお、Graphic Controls Acquisition Corp.の資本金の額が日本写真印刷の資本金の額の100分の10以上に相当するため、株式取得後にGraphic Controls Acquisition Corp.は日本写真印刷の特定子会社に該当する見込み。

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