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リオ五輪によるジカウイルス感染症拡大、可能性は低い

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2016年08月04日 AM10:00

リオ五輪でジカウイルス拡大の恐れはほぼなし

8月5日に開幕する2016年オリンピックでは、ブラジル・リオデジャネイロに渡航する選手や観戦者が滞在中にジカウイルスに感染したり、自国へウイルスを持ち帰ったりする確率は低いと、専門家らが報告した。今回のリオ五輪では、妊娠中の妻にジカウイルスが影響することを懸念するなどの理由で、出場を辞退する選手も出ている。


画像提供HealthDay

専門家らは、五輪目的の渡航者50万人のうち、ジカウイルスに感染するのは6~80人、症状が出るのは1~16人であり、帰国時まで伝染性を有するのは3~37人にとどまると推定している。

研究共著者の1人である米イェール大学(コネチカット州ニューヘイブン)のGregg Gonsalves氏は、「ジカウイルス感染症が流行しているのは事実だが、入手できる最良のエビデンスに基づいて方針を決定する必要があり、状況を誇張すべきではない」と述べている。

この報告は、リオ五輪がジカウイルスの国際的な拡大に大きく寄与することはないとする世界保健機関(WHO)の見解を支持するものでもある。

米ピッツバーグ大学UPMCヘルスセキュリティセンター(ボルチモア)のAmesh Adalja氏は、「複数のモデル研究に基づいて考えると、妊娠していない観戦者や選手へのリスクは十分に管理可能であり、延期や棄権に値するものではない」と述べている。ジカウイルスは妊婦が感染すると胎児の小頭症を引き起こす可能性があるが、それ以外の人にはほとんど脅威にならない。また、ブラジルは冬であるため蚊の活動は低下しており、さらに大半の渡航者は遮蔽され空調管理された場所に滞在するため、蚊に遭遇する可能性はさらに低くなる。

ほかにも以下のような要因から、五輪によりジカウイルス感染症が拡大する可能性は低いという

  • ウイルスは10日以内に身体から消滅するため、帰国する頃には伝染性は低くなっている。
  • 渡航者の半数以上は先進国に帰国するため、地元でウイルスが広がるリスクは低い。
  • 渡航者の3分の1は既にウイルスが存在している中南米諸国に帰国するため、流行に寄与することはない。

米カンザス州立大学バイオセキュリティ研究所のStephen Higgs氏は、「リオへ行く人は、渡航の決断時にその脅威を真剣に受け止めており、現地では蚊の駆除が済んでいない裏通りに入るようなことはしないはずだ」との見解を示し、また、妊娠中の女性は五輪観戦を控えると予想している。

今回の報告は、「Annals of Internal Medicine」に7月26日オンライン掲載された。(HealthDay News 2016年7月25日)

▼外部リンク
Little Threat of Zika Spread From Rio Olympics: Study

HealthDay
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