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開発中のolipudase alfa、ASMD成人対象の第 2/3相試験開始-サノフィ

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2016年07月19日 PM01:00

ニーマンピック病B型に対する酵素補充療法剤として

サノフィのスペシャルティケアグローバルビジネスユニットである米国のサノフィジェンザイムは7月6日、現在開発中のolipudase alfaの重要な第2/3相試験であるASCEND試験に最初の成人患者が参加し、治験薬の投与を受けたことを発表した。

Olipudase alfaは、(acid sphingomyelinase deficiency:ASMD)の中でも、中枢神経症状のない病型()に対する酵素補充療法剤として現在開発中の薬剤。

ASMDは希少な消耗性疾患で、遺伝子変異を原因として細胞内の代謝に障害が出るライソゾーム病のひとつ。重篤かつ生命に関わる疾患で、酸性スフィンゴミエリナーゼという酵素が十分に機能せず、体内のさまざまな臓器にスフィンゴミエリンが蓄積する。症状として、肝脾腫、肝機能障害、浸潤性肺疾患、出血性合併症、心血管疾患、骨疾患や、成長の遅延などが現れる。現在、ASMDの治療薬として承認された医薬品はない。

52週間の試験期間終了後、全患者が継続投与試験に参加

今回開始が発表されたASCEND試験は、第2/3相国際多施設共同二重盲検プラセボ対照試験。ASMDのひとつであるニーマンピック病B型の成人患者に52週間にわたりolipudase alfaの隔週静脈内投与を行い、同剤の有効性、安全性、薬力学および薬物動態を評価する。また、olipudase alfaの脾臓容積や肺機能をはじめとする重要な臨床パラメータに対する効果を検討するとしている。

同試験には36人の患者が参加し、olipudase alfaまたはプラセボの投与を受ける予定。主要解析を行う52週間の試験期間の終了後、全ての患者が継続投与試験に参加し、治療を受ける。この試験には日本も参加を予定している。

なお、2015年6月には、サノフィジェンザイムがASMDのニーマンピック病B型の小児患者を対象とした第1/2試験の開始を発表。米国食品医薬品局(FDA)は、 をブレークスルーセラピー()に指定している。

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