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重症気管支喘息治療薬「ヌーカラ皮下注用100mg」を発売—GSK

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2016年06月10日 AM06:00

既存治療によっても症状をコントロールできない難治の気管支喘息に

グラクソ・スミスクライン株式会社は6月7日、抗インターロイキン-5(IL-5)抗体薬「ヌーカラ(R)皮下注用100mg」(一般名:メポリズマブ(遺伝子組換え))を、同日付けで発売した。同剤は、成人および12歳以上の小児に対し「(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る)」の効能・効果で、3月28日に承認を取得していた。

既存の治療薬を適切に使用している場合、喘息患者の多くは症状を十分にコントロールすることができる。しかし、喘息患者のうち5%以下が重症喘息であり、既存の治療法では症状を十分にコントロールすることができないという。

この重症喘息は、「“コントロール不良”となることを予防するため高用量の吸入ステロイド薬および長期管理薬(および/または全身性ステロイド)による治療が必要である喘息、あるいはこうした治療にもかかわらず“コントロール不良”となる喘息」と定義され、また経口ステロイド薬を長期間使用している患者も重症喘息患者として分類される。

好酸球の機能を調節するIL-5が標的

重症喘息患者では、好酸球の産生亢進が肺の炎症を引き起こし、気道に影響を与え、呼吸を制限し、喘息発作の頻度を増加させることが明らかになっている。IL-5は好酸球の増殖、活性化および生存を促進する主要因子であり、骨髄から肺への好酸球の遊走にも深く関与している。これまでの研究結果では、重症喘息患者の約60%に、この好酸球性の気道炎症が認められていることが示唆されているという。

同剤は、好酸球の機能を調節する役割を果たすIL-5を標的とした初の生物学的製剤であり、IL-5が好酸球の表面にあるIL-5受容体に結合することを阻害するモノクローナル抗体。IL-5の結合を阻害することにより、血中、組織、および喀痰に含まれる好酸球数を減少させるという。同剤は、高用量の吸入ステロイド薬や経口ステロイド薬との併用を含む長期管理薬など既存の治療薬への追加治療として、固定用量100mgを4週間に1回皮下投与する。

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