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新規抗てんかん剤「フィコンパ」発売-エーザイ

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2016年05月27日 PM12:30

、強直間代発作に対する併用療法で

エーザイ株式会社は5月26日、日本において「他の抗てんかん薬で十分な効果が認められないてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)および強直間代発作に対する抗てんかん薬との併用療法」を効能・効果とする、新規抗てんかん剤「(R)錠2mg/同4mg」(一般名:)を発売した。同剤は3月28日に製造販売承認を取得し、薬価収載されている。


画像はリリースより

同剤は、エーザイの筑波研究所で創製されたファースト・イン・クラスの抗てんかん剤で、1日1回就寝前に経口投与する。グルタミン酸によるシナプス後AMPA受容体の活性化を高選択的かつ非競合的に阻害する唯一の薬剤で、神経の過興奮を抑制する。12歳以上のてんかん患者の部分発作(二次性全般化発作を含む)に対する併用療法として、欧米など45か国以上で承認を取得しており、12歳以上の強直間代発作に対する併用療法でも欧米など35か国以上で適応拡大の承認を得ている。

プラセボ群と比べ、発作頻度変化率が有意に減少

日本では、てんかん患者数が約100万人と報告されている。発作のタイプにより、約6割の部分てんかん、約4割の全般てんかんに大別。全般てんかん患者の強直間代発作は、全般てんかんにおける最も一般的かつ重篤な発作型のひとつであり、全般てんかんの約6割、てんかん全体でも約2割を占めている。また、てんかんは、患者の約30%が既存の抗てんかん剤では発作を十分にコントロールできていない疾患で、新たな薬剤が強く望まれている。

同社によると、今回の承認は、部分発作に対する併用療法として実施した臨床第3相試験(335試験)、および強直間代発作に対する併用療法として実施した臨床第3相試験(332試験)に基づくもの。発作頻度変化率はプラセボ群と比較してそれぞれ統計学的に有意な減少を示した。さらに、332試験のフィコンパ投与群では、30.9%の強直間代発作の患者において治療維持期13週間にわたり無発作状態が維持された(プラセボ群では12.3%)。なお、両試験において高頻度で認められた有害事象は、浮動性めまい、疲労、頭痛、傾眠、易刺激性だったとしている。

日本において、抗てんかん薬「イノベロン(R)」や「ホストイン(R)」などに加えて、同剤が新たな治療選択肢になることを期待している、と同社は述べている。

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