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COPDにおけるNETs形成量、重症度や増悪リスクに直接的に関連か

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2016年05月24日 AM10:00

COPD治療の向上につながる発見

(COPD)の進行を予測する新たな方法が明らかにされ、COPD治療の向上につながる可能性があるという。この研究は、標準治療が奏効する可能性の低い患者や、疾患が進行するリスクの高い患者を判定するのに有用なものであると、研究著者らは説明している。


画像提供HealthDay

米国肺協会(ALA)によると、COPDは呼吸が困難になる慢性的な肺疾患で、慢性気管支炎や肺気腫が含まれる。今回の新たな発見は、COPDに関連する病態である好中球性気道炎症に関わるものだ。好中球は感染を撃退するために重要な白血球だが、研究者らによると、患者の肺にみられるNETs(好中球細胞外トラップ)形成という現象が、細菌を死滅させる能力を低下させているようだという。

研究著者であるダンディー大学()のJames Chalmers氏は、「好中球が感染と戦う能力をもつことは知られているが、COPDでその作用がみられない理由は完全に解明されていなかった。最近のいくつかの研究でNETsの存在について言及されていたことから、われわれはNETsとCOPD患者の転帰に何らかの関連があるのかを知りたいと考えた」と説明している。

今回の研究では、患者141人のCOPD急性増悪の終息時の血液および喀痰を採取した。その結果、肺のNETs形成の量が、肺疾患の重症度および副腎皮質ステロイドによる治療が奏効しない増悪のリスクに直接的に関連していることが判明。NETsは炎症の悪化だけでなく、肺機能および生活の質(QOL)の低下をもたらすと結論づけられた。

「データから、吸入ステロイドがNETsを増悪させる可能性もあることが示されている。われわれは新たなCOPD治療を究明するとともに、NETs形成を抑制することによって転帰が改善されるかどうかを明らかにする必要がある」と、Chalmers氏は話す。

今後の研究では、NETs形成が生じる理由や、予防または治療が可能かを検討する予定だという。「NETsの検出が増悪リスクのある患者を特定できるバイオマーカーとなり、NETs形成の抑制がCOPDの有益な治療となることを期待している」と、同氏は述べている。

この知見は米サンフランシスコで開催された米国胸部学会(ATS)年次集会で発表された。学会発表された研究は一般に、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。(HealthDay News 2016年5月15日)

▼外部リンク
COPD Discovery Might Improve Treatment

HealthDay
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