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妊娠中の過剰な葉酸とビタミンB12の摂取で自閉症リスクが最大で17倍以上に

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2016年05月20日 AM10:00

妊娠中の過剰な葉酸が自閉症リスクに関連

妊娠中の女性は葉酸を十分に摂取するよう推奨されるが、新たな研究により、母体の葉酸(ビタミンB9)およびビタミンB12の値が高すぎても、生まれる児の自閉症スペクトラム障害のリスクが上昇する可能性が示唆された。


画像提供HealthDay

「葉酸は適量であればよいものだが、過剰になると悪影響をもたらすようだ。ただし、妊娠を望む人や妊娠中の人は、サプリメントを中止すべきだとは解釈しないでほしい」と、研究共著者の1人である米ジョンズ・ホプキンス大学ブルームバーグ公衆衛生学部教授のDaniele Fallin氏は述べている。

今回の研究で、分娩時に母親の血中葉酸値が非常に高い場合、正常値の母親に比べて自閉症児が生まれる確率が2倍であり、ビタミンB12の値が高い場合は3倍であることがわかった。葉酸とB12がいずれも過多であった母親は最もリスクが高く、いずれも正常値の場合の17倍以上であった。なお、今回の研究ではこれらの関係性が示唆されたものの、因果関係は明らかにされていない。

この知見は、米ボルチモアで開催された国際自閉症学会(IMFAR)で発表された。葉酸は果物や野菜に含まれるほか、米国では強化食品やサプリメントに合成葉酸が使用されている。

しかし、妊婦はサプリメントを中止すべきではないと、研究グループは強調する。今回の研究では、葉酸とB12のサプリメントを(特に妊娠期間の前半に)週3~5回服用していた女性は、自閉症児が生まれる確率が低いことも判明している。米国産婦人科学会(ACOG)をはじめとする各団体は、胎児の神経管欠損の予防のために妊婦の葉酸摂取を推奨しており、最近の研究では、葉酸およびビタミンB12が発達中の胎児の自閉症を予防することも示されているという。

Fallin氏らは、低所得のマイノリティ集団を中心とする出生コホート(Boston Birth Cohort)の母子1,400組弱のデータを分析した。1998年から2013年まで分娩時に母親を登録し、数年間追跡した。

その結果、女性の1割では葉酸値が過剰に高く、6%ではビタミンB12値が過剰に高かった。理由は明確でないが、人によって遺伝的に体内の葉酸やB12の値が高くなりやすい可能性があるほか、食事やサプリメントからの摂取量が多すぎる可能性もあるという。女性は食事やサプリメントの影響について産科医に相談するよう、同氏は勧めている。

米国の擁護団体Autism SpeaksのPaul Wang氏は、この知見が査読を受けて医学誌に掲載されるまでは判断できないと述べる一方、サプリメントを週3~5回使用する女性に自閉症の予防効果が認められた点を指摘し、「推奨されるビタミンを摂取することが子どもの全体的なリスクを低減することに変わりはない」と付け加えている。(HealthDay News 2016年5月11日)

▼外部リンク
Too Much Folic Acid in Pregnancy Tied to Raised Autism Risk in Study

HealthDay
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