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一般内科医の約6割がジェネリックの銘柄指定の処方経験あり-アンテリオ調査

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2016年05月19日 PM03:45

GEの銘柄指定、中医協総会で健保連と医師会による論争も

近年、(GE)の使用促進が進むなかで、新たな問題として浮上してきているのが処方医によるGE銘柄指定問題である。処方医側が処方箋発行時に特定GE銘柄を記載し、他のGEへの変更不可の指定を行うことで、応需する保険薬局では指定銘柄のGE在庫がなく、対応に苦慮するといった事態も発生している。


画像はリリースより

2015年10月に開催された厚生労働相の諮問機関である中央社会保険医療協議会の総会では、同協議会診療報酬改定結果検証部会が実施した「平成26年度診療報酬改定の結果検証に係る特別調査」からGE銘柄指定するとの回答がその前年度調査から倍増して4割超となったことに対し、支払側である健康保険組合連合会(健保連)の委員が薬剤師の調剤権を行使したGE使用促進の妨げになっているという認識の下、「異常事態」との意見を表明。これに対して診療側である日本医師会の委員が反論し、健保連の委員が医師会の委員に一部発言の取り消しを求めるという事態にも発展した。

こうした状況を受けて、このほど医療専門調査会社の株式会社アンテリオが行ったGP一般内科の医師を対象に行った調査では、過去1年間にGE銘柄指定の処方経験がある医師は約6割にのぼり、うち4割弱が変更不可欄にチェックした経験があることが分かった。変更不可の理由については、品質への信頼が高い製薬企業の製品指定とともに、患者が服用している既存GEの継続処方のためという回答が最も多かった。

変更不可チェックの理由「信頼できるメーカー」「患者さんの要望・好み」など

調査はアンテリオのインターネット調査・クイックサーベイを用いて19床以下の一般内科を対象に今年1月21~22日に実施し、101人から回答を得た。回答医師の61%(62人)が過去1年以内にGE銘柄指定の処方経験があるとし、この内訳としては43%が「一般名も記載あり」、18%が「一般名の記載なし」だった。

銘柄指定処方経験のある医師のうち、処方箋の変更不可欄にチェックを入れた経験がある医師は37%、全くチェックしなかった医師は63%。

変更不可にチェックをしたことがある医師の理由(複数回答)に関して、最多は「品質の面で信頼できる後発品メーカーを指定する」、「患者さんが継続して使用している製品」であり、この他には「特定の疾患領域や薬効群の場合」、「剤形、味、添加物など、患者さんの好みや体の状態を考慮した処方」、「(価格や継続使用以外で)患者さんの要望がある場合」などが挙げられた。

一方、変更不可の処方経験の有無にかかわらず、回答医師にGE銘柄指定に関する見解を尋ねた自由回答では、「処方する側からは指定したい気もするが、受ける薬局からすれば不良在庫が増える」「手間なだけと思っている」などGE銘柄指定そのものに否定的な意見が最多で、これに次いで「薬局で判断してくれればいいので、指定するつもりはない」、「かかりつけ薬局のある方は、銘柄指定している」など、保険薬局側の対応に合わせている趣旨の意見が多いなど、回答医師全体としては薬局や患者などの状況に応じて対応していることも浮き彫りになっている。

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