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緊急手術における死亡・合併症の大部分を占める7種類の手術とは

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2016年05月12日 AM10:00

死亡リスクの高い7つの緊急手術

米国では、救急一般外科(emergency general surgery)の手術による死亡・合併症の大部分を、7種類の手術が占めていることが新たな研究で報告された。内訳は、大腸または小腸の部分切除術、出血や裂傷を来した潰瘍の修復術、癒着した腹部臓器の分離手術、虫垂切除術、胆嚢摘出術、開腹手術。


画像提供HealthDay

研究著者である米ブリガム・アンド・ウイメンズ病院のJoaquim Havens氏は、「開腹による腸の手術を受ける患者よりも、心臓手術を受ける患者のほうがむしろ転帰が良好である可能性もある」と述べている。

Surgery」に4月27日掲載された今回の研究では、米国外傷外科学会(AAST)による救急一般外科の定義を満たす処置(主に消化管の障害、軟部組織感染症、脱腸などの手術)について検討した。状態の深刻さから入院後2日以内に実施された手術に焦点を当て、心臓関連および自動車事故などの外傷による手術は除外した。

救急外科手術は、米国では年間300万人以上が受けているが、消化管出血、腸閉塞、消化管の重症感染症などの患者を対象として、十分な計画や準備がないまま実施されるため、元来リスクが高い。そのため、救急手術を受ける患者は同じ処置を計画的に受ける患者に比べ、術後の死亡リスクが8倍になるという。

今回の研究では、2008~2011年に米国で救急手術を受けた42万1,000人のデータを分析。全体の死亡率は1.2%、合併症の発生率は15%で、入院1回あたりの平均コストは1万3,241ドルだった。

付随論説を執筆した米ジョンズ・ホプキンス大学(ワシントンD.C.)のMartin Paul氏によると、7種類の手術のうち腸切除術などは、計画的な手術であってもリスクが高く、事前の準備なく実施する場合は非常に危険であるという。一方、虫垂切除術や胆嚢摘出術は極めて安全な手術であり、リストに入っているのは実施件数が非常に多いためだと、Havens氏は説明している。

患者はきちんと健康管理を行い、早めの受診を心がけることによって、このような手術が必要になるリスクを低減できるとHavens氏らは話す。また、医師らは手術の手順をさらに改良し、術中に重要な決定をするときはチーム内で十分に話し合うことにより、手術の安全性を向上できる可能性があると、同氏らは指摘している。(HealthDay News 2016年4月28日)

▼外部リンク
The 7 Deadliest Emergency General Surgeries

HealthDay
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