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薬局向けの服薬アドヒアランス向上を目指すロボット向けアプリ開発-実務薬学研究所ら

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2016年05月12日 PM01:30

「薬立っぺ」=薬局で役立つ+

株式会社実務薬学総合研究所と株式会社ジャパンコミュニケーションは5月9日、薬局向けに患者の服薬アドヒアランス向上を支援するロボット向けアプリ「薬立っぺ(やくだっぺ)」を共同開発したと発表した。対応ロボットはソフトバンクが販売中の「Pepper」で、別途費用が必要だがロボット本体への導入支援も行なうという。6月20日発売予定で、3,000薬局での導入を目指す。


オリジナルの白衣を着て登場したPepper

開発されたアプリの機能は大きく分けて基本性能とオプション、さらなるカスタマイズの3つの構成だという。基本性能の部分では、薬局での待ち時間を使ったお薬の説明コンテンツと、おさらいとしてのクイズからなる。

まず、Pepperが「いまのお薬、正しく使えていますか?」と親しみをもって問いかけ、前面のタッチパネルの操作をうながす。その画面には大まかなカテゴリが表示されており、どれかをタッチすると説明のコンテンツが流れるという仕組みだ。このコンテンツは季節ごとに3つ定期的に更新され、年間では12コンテンツが自動的に配信される(発表会では吸入薬の服薬説明動画が流れた)。

その後、そのコンテンツに関する簡単なクイズに移行する。もちろん正解、不正解でPepperの反応が変わるようになっており、エンターテインメント性も考慮されている。また、基本的に患者とPepperだけでコミュニケーションが成立するようになっており、Pepperの横にスタッフがつく必要はない。

オプションは「薬局あれこれ」と題される簡易的な独自コンテンツ作成機能だ。導入する薬局にあわせた情報、患者さんに伝えたい内容などをQ&A形式で作成できる。その他、Q&A形式にとどまらない独自コンテンツの作成も別途相談で可能だという。

今後はAIとの連携も視野に

将来、Pepperはクラウド上のAI基盤と連携可能になることが発表されている。システム部長として開発に関わった薬剤師の水八寿裕氏は、その活用も当然視野に入れ精度を高めていきたいとし、「このアプリは薬局とともに育てる『共育』アプリだ」と、今後の展望を語った。

ここ半年、実験的な導入も含めロボットの活用はさまざまな分野で試みられているが、ヘルスケア、医療分野での活用はまだまだといったところ。いくつかの施設が自らロボットを購入した例はあるが、サービスとしてのアプリ提供はこれまでほとんどなかっただけに、先行例として注目される。()

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