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テロメアの長さによる寿命の予測は、「当てずっぽう」よりわずかに優れる程度

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2016年04月18日 AM10:00

「テロメアの長さ」を検査しなくても寿命は予測できる

寿命を予測するのに、DNA鎖の末端の長さを調べる方法は最善とはいえないようであることが判明した。新たな研究で、実年齢や階段を上ったり短距離を歩いたりする能力のほうが、寿命の正確な予測因子となることが示された。


画像提供HealthDay

今回の研究では、米国(60歳以上)、コスタリカ(61歳以上)、台湾(53歳以上)の高齢者を対象に5年間の死亡率を分析。テロメアの長さと比較して、年齢、身体の可動性、喫煙習慣などの一連の基本的な評価項目から5年間の死亡率をどのくらい正確に予測できるのかを調査した。テロメアとは、加齢に伴い短縮するDNA末端部のこと。

研究グループによると、テロメアがヒトの「分子時計」の役割を担うことが発見されて以来、テロメアの長さを利用して死亡時期を正確に予測できるのかという課題には多大な関心が寄せられているという。

しかし「」に4月6日掲載された今回の研究によると、テロメアの長さによる予測は、「当てずっぽう」よりはわずかに優れる程度にとどまることがわかった。実年齢が唯一にして最も優れた死亡予測因子だという。

研究著者である米ジョージタウン大学公衆衛生センター(ワシントンD.C.)のDana Glei氏は、「テロメアの長さに関する科学的エビデンスは大々的に取り上げられ、ときには実際以上の効果を謳って製品を売るために、メディアや研究に投資した企業によって誇張されてきた」と説明する。

研究共著者の1人で米プリンストン大学教授のNoreen Goldman氏は、「自己申告による健康状態および身体可動性、認知機能評価、、運動、炎症マーカー、腎機能評価を含めたほとんどの指標は、テロメアよりも予測能が優れていた」と、驚きを述べている。

この知見から、患者の寿命を判定するためにテロメアの長さを調べる必要性を裏づける根拠はないことが示されたと著者らは指摘する。Glei氏は、「血液を採取し、DNAを抽出してテロメアの長さを測定するよりも、年齢を尋ねるほうがはるかに簡単で費用もかからない」と述べるとともに、「インターネット上ではテロメアの長さを調べる自己検査キットや、テロメアの維持に役立つと謳うサプリメントが販売されている。購入する人は注意してほしい」と付け加えている。(HealthDay News 2016年4月7日)

▼外部リンク
Predicting Longevity May Be Simpler Than Thought

HealthDay
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