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デング熱、実験段階のワクチンに有効性 ジカ熱にも?

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2016年03月29日 AM10:00

デング熱ワクチンの有用性を確認 ―ジカ熱対策にも期待?

蚊が媒介するデング熱ウイルスに対する実験段階のワクチンに有効性が認められた。健康な被験者41人を対象とした小規模試験で、TV003と呼ばれるワクチンの1回の接種により、効果が期待しにくいと思われた株に対しても100%の防御効果が得られたという。


画像提供HealthDay

研究著者である米バーモント大学医学校(バーリントン)のBeth Kirkpatrick氏は、「デング熱ウイルスには4つの血清型(株)があり、真に有効なワクチンはそのいずれも等しく防御できるものでなくてはならない。今回の知見は心強いものだが、ワクチンの有望性を確認するにはさらに大規模な研究が必要だ」と強調している。

この研究は「Science Translational Medicine」オンライン版に3月16日掲載された。

デング熱は、熱帯や亜熱帯を中心に年間約3億9,000万人が罹る疾患だ。ほとんどは軽症または無症状だが、感染者のうち200万人以上がデング出血熱を発症するという。米国疾病管理予防センター(CDC)によると、デング出血熱では高熱、激しい頭痛、、関節痛、血管漏出、循環不全などの症状がみられ、年間約2万5,000人が死亡する。

新ワクチンは2016年初頭にメキシコ、フィリピン、ブラジルの3カ国に限定して初めて試用された。早期試験から、このワクチンが4つの株のうち3つに対して確かな免疫応答を誘発することが示唆されたが、「デング2型」株に対する抗体産生については効果が劣ると考えられていた。

Kirkpatrick氏らは、免疫応答だけでなく感染率にも焦点を当て、同ワクチンの再試験を実施。健康な米国人の成人41人(平均年齢約30歳)を対象として、約半数にTV003、残りにプラセボワクチンを1回接種した。

半年後、遺伝子改変した危険の少ないデング2型ウイルスに全被験者を曝露したところ、ワクチン接種群では発疹、白血球数減少はみられず、血液中にウイルスの徴候もなかったが、プラセボ群では全被験者の血液中にデング2型ウイルスがみられ、8割に軽度の発疹、2割に白血球数減少が生じた。今後はデング熱が流行する国でも試験を実施する予定だという。

今回の知見はデング熱だけでなく、ジカ熱などの対策にも期待を抱かせるものだ。「デング熱とジカ熱のウイルスは近縁であり、研究チームは今回の経験をジカ熱ワクチン開発にも活かそうと努めている」とKirkpatrick氏は言う。ただし、デング熱ワクチンが広く導入されるまでにはまだ時間がかかると、別の専門家はコメントしている。(HealthDay News 2016年3月16日)

▼外部リンク
New Dengue Virus Vaccine Shows Promise

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