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果物・野菜を値下げすれば、心筋梗塞・脳卒中による死亡率を低減できる?

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2016年03月15日 AM10:00

果物や野菜の値下げで多数の命を救える可能性

果物や野菜の価格を下げ、ジャンクフードを値上げすることにより、心疾患と脳卒中による死亡を大幅に低減できる可能性が、2件の米国の研究から示唆された。この知見は、価格政策による影響をシミュレートするコンピュータモデルに基づくもので、米フェニックスで開催された米国心臓協会(AHA)会議で発表された。


画像提供HealthDay

AHA代表のMark Creager氏(今回の研究には関与していない)は、タバコの課税が米国の喫煙者数に好ましい影響をもたらした例を挙げ、健康によい食品が安価になれば、その摂取量が増えることも当然期待できると述べている。2件の研究を実施した米タフツ大学(ボストン)Friedman栄養科学政策学部のDariush Mozaffarian氏もこれに同意し、「多くの研究文献や臨床経験から、食品価格の変化による食習慣への影響が明らかにされている」と指摘している。

今回の研究では、米国人の人口統計、・脳卒中の発症率、現在の果物と野菜の摂取量に関するデータを使用し、さまざまな食品価格政策による影響を推測した。

その結果、果物と野菜の価格を30%下げることにより、米国人の心筋梗塞・脳卒中による死亡率を15年で3%(約20万件に相当)以上低減できる可能性があることが判明した。さらに、、果物、穀類の価格を10%下げるとともに砂糖入り飲料の価格を10%上げた場合はより大きな便益が得られ、死亡数を20年で51万5,000件低減できる可能性が示された。

「こうした価格変更は、地方、州、国が砂糖入り飲料に税金を課し、同時に政府が果物や野菜への助成金を出すことで“容易に達成できる”ことだ」とMozaffarian氏は述べている。

Creager氏によると、AHAは長年、砂糖入り飲料に対する課税を支持してきた。しかし、食品価格がすべてではなく、低所得層の居住地区において新鮮な果物や野菜が容易に入手できるようにする必要があり、さらに、人々の運動量を増やすために、あらゆるコミュニティで安全に歩くことのできる環境を整えることが望ましいと指摘する。

Mozaffarian氏は、この知見が行動のきっかけになると考えており、「健康によい食品をさらに求めやすくし、不健康な食品が社会にもたらす真のコストをその価格に反映させるため、政府による措置を要求する必要がある」と述べている。(HealthDay News 2016年3月1日)

▼外部リンク
Lower Fruit, Vegetable Prices Might Save Lives

HealthDay
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