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新規アトピー性皮膚炎治療薬の国内第3相臨床試験終了-アンジェスMG

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2016年02月18日 PM02:30

顔面に中等症以上の皮疹を有するアトピー性皮膚炎患者200例が対象

アンジェスMG株式会社は2月16日、同社の開発品で核酸医薬であるNF-κBデコイオリゴDNAを用いたアトピー性皮膚炎治療薬(軟膏製剤)について、国内で実施していた第3相臨床試験における最後の症例の観察期間(投与後に症状の変化を観察する期間)が終了し、試験が実質的に完了したことを発表した。

同社によると、今回の試験は、顔面に中等症以上の皮疹を有するアトピー性皮膚炎患者約200例を対象として、同剤の有効性と安全性を確認する、プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験。2015年3月より被験者への投与を実施しており、今回、全症例の観察期間が終了した。今後は、各症例のデータを回収し、解析を行う。良好な結果が得られた場合には、国内で中等症以上の顔面のアトピー性皮膚炎を適応症として2016年中に承認申請を行いたいとしている。

皮膚疾患対象のNF-κBデコイオリゴDNAの独占的販売権を塩野義製薬と締結

NF-κBは、炎症や免疫が活性化する時、活性酸素などによる酸化ストレスなどの刺激が外部から与えられた時に、細胞が炎症反応や免疫反応を惹起させるため活性化する主要な転写因子。実際に、NF-κBの活性化は、、乾癬、関節リウマチなど異常な炎症や免疫関連の疾患を引き起こし、病態を悪化させることが指摘されている。また、遺伝子は転写因子が染色体DNAに直接結合することで発現するが、デコイオリゴは、その染色体DNAの転写因子結合部位と同じDNA配列を含む二重鎖の短い核酸で、体内に投与すると転写因子が染色体DNAに結合することを阻害して遺伝子の働きを抑える。

同剤に使用されているNF-κBデコイオリゴDNAは、NF-κB結合部位のDNA配列をもつデコイオリゴであり、転写因子そのものを標的とすることから、既存の薬剤と比較して特異性、標的分子に対して確実に効果が発揮されるなど有効性の面で治療薬として優位性があると考えられている。また、副作用の面でも軽減することが期待されている。

なお、同社はアトピー性皮膚炎を含む皮膚疾患を対象としたNF-κBデコイオリゴDNAの独占的販売権に関して、塩野義製薬と契約している。

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