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進行性腎細胞がんの生存期間、カボザンチニブがエベロリムスよりも優れる傾向

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2016年01月18日 AM10:00

分子標的薬カボザンチニブが進行性腎がんに有望

分子標的抗がん薬カボザンチニブ(国内未承認)の進行性腎がんに対する有効性が認められた。ただし、副作用のために広く使用するのは難しい可能性があるという。


画像提供HealthDay

研究を率いたギュスターヴ・ルシー研究所(フランス)のBernard Escudier氏によると、カボザンチニブは別の分子標的薬であるエベロリムスと比較して、腎がんに対し全般的に優れた効果を示したという。カボザンチニブは、がんの増殖・転移を促進する複数の細胞プロセスを妨害することによって効果を発揮するが、一方で下痢、疲労感、吐き気などの副作用も多くみられる。

Escudier氏は「初回の化学療法が奏効しない場合の第二選択薬としては、今後も、カボザンチニブよりもニボルマブが選ばれる可能性が高い」と話している。ニボルマブは、がん細胞を攻撃する免疫系の作用を促進する薬剤で、副作用はさほど重くない。

今回の研究は、米サンフランシスコで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)泌尿器癌シンポジウムで発表された。学会発表された知見は一般に、査読を受けて医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなされる。

カボザンチニブは現在、一部の甲状腺がんの治療薬として米国食品医薬品局()の承認を受けているが、他のがんに対しても試験が進められている。今回の研究では、進行性の腎細胞がん(最もよくみられる腎がん)の患者650人以上を対象として、カボザンチニブ群またはエベロリムス群に無作為に割り付けた。いずれの患者も、がんに栄養を送る血管の成長を阻害する薬剤による治療を以前に受けていた。

カボザンチニブ群では、がんの増悪がみられない期間が中央値7.4カ月であり、エベロリムス群(3.8カ月)のほぼ2倍であった。また、腫瘍サイズの縮小が認められた患者は、カボザンチニブ群では4人に3人であったのに対し、エベロリムス群では2人に1人であった。早期の分析では、カボザンチニブ群の生存期間がエベロリムス群よりも優れる傾向が認められた。

ASCOのSumanta Pal氏は、「カボザンチニブによる便益の規模はこれまでにみたことがないほど大きい」と述べており、Escudier氏の見解とは異なり、第二選択薬としてニボルマブよりもカボザンチニブを支持する姿勢を示している。

米国では、カボザンチニブの価格は数カ月分で1万3,000ドル前後だが、患者の負担額は保険の加入状況によって異なる。製造元は、支払いの困難な患者のための支援プランも提供しているとのこと。(HealthDay News 2016年1月6日)

▼外部リンク
Targeted Drug Shows Promise Against Advanced Kidney Cancer

HealthDay
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