医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > 肺がん対象の抗がん剤「FF-21101」、米国で臨床試験開始-富士フイルム

肺がん対象の抗がん剤「FF-21101」、米国で臨床試験開始-富士フイルム

読了時間:約 1分4秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2016年01月18日 PM12:00

世界トップレベルの「」で実施

富士フイルム株式会社は1月14日、米国の現地時間1月12日から、」の臨床第1相試験を開始したと発表した。同試験は、肺がんなどの固形がんを対象としたもので、がん領域で世界トップレベルの研究・治療施設である米国テキサス州立大学MDアンダーソンがんセンターで行われる。

MDアンダーソンがんセンターでは、年間1万人以上の治験参加患者数があり、約2万人のスタッフを有する、世界トップレベルの総合がんセンター。同社は、同センターの世界最大規模の治験実施機能を活用し、臨床第1相試験を実施することで、FF-21101の安全性と初期の有効性を確認していくとしている。

同社によると、FF-21101は放射性同位体(RI)を標識した抗体(Armed抗体)を用いた抗がん剤で、通常の抗体医薬品とは異なる作用メカニズムを持っている。一般的な抗体医薬品は、抗体ががん細胞表面に発現する特定のタンパク質に結合し、生体が持つ免疫機能を誘引することで標的細胞を攻撃するが、免疫機能が低下した患者に対しては効果が弱くなるとされている。一方で、FF-21101は、RIを標識した抗体をがん細胞に集積させ、RIから放出する放射線で直接がん細胞を攻撃することができるため、患者の免疫機能の状態にかかわらず、高い効果が期待できるという。

同剤は、固形がんの細胞表面に多く発現している糖タンパク質の一群であるP-カドヘリンを標的とし、肺がんや膵臓がんなどの細胞に高い集積性を有する抗体を用いている。すでにマウスモデルでの動物実験では、がん組織を大幅に縮小させ、高い治療効果を示しているという。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • アレセンサ、ALK陽性早期非小細胞肺がん初の術後補助療法でFDA承認-中外
  • 全身型重症筋無力症治療薬ヒフデュラ配合皮下注を発売-アルジェニクス
  • バビースモ、網膜色素線条P3試験で主要評価項目達成-中外
  • 婦人科疾患の診断や不妊治療に有用な免疫検査パネルを発売-シスメックスほか
  • 新型コロナの次世代 mRNA ワクチン「コスタイベ筋注用」、国内第Ⅲ相試験で既存オミクロン株対応2価ワクチンに対する優越性検証を達成-Meiji Seika ファルマ