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「歯科用X線CT装置」製品化に向け、開発スタート-東北大ほか

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2016年01月15日 AM06:00

CT装置一台で目的に応じた診査が可能に

東北大学は1月12日、同大大学院歯学研究科が、歯科診断において一台の装置(オールインワン)で診査目的に応じた診査が可能となる「歯科用X線CT装置」の製品化に向けて、他施設との共同研究開発を開始したと発表した。


画像はリリースより

同事業は、2015年4月に設立された「国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)」によって実施される医療分野の研究開発事業である「医工連携事業化推進事業」に採択されたことによるもの。事業管理は、人工心臓の開発などを行っている株式会社信州TLOが受託。東北大学のほか、信州大学医学部、静岡大学工学部などが共同で開発する。

製造販売は2018年3月を予定

同機器は、低被ばく線量でありながら豊富な画像情報に基づく鮮明な画像が出力でき、歯科レントゲン撮影で必要なパノラマ、デンタル、セファロ、 画像が一台で全て撮影可能な一体型X線CT装置。むし歯の進行 範囲、肉眼で見ることのできない歯の根、骨の状態など歯科治療に関わるレントゲン撮影に用いる。アーム構造を利用して、患者に関する多方向からのX 線透過信号をコンピュータ処理し、再構成画像を診療のために提供する。

従来装置には不鮮明な画像、多数の撮影装置購入によるコストやスペースの増加、数回にわたる被ばく増の問題点があったが、同機器では、高画質、低コスト、低被ばく、院内感染機会の減少などを実現。歯科医療のIT化、DICOMフォーマットによるデータ管理、豊富な情報に基づいた歯科医療の質および安全性向上にもつながるとしている。東北大学は、個人医院のスタンダード装置として現在10%程度であるCT装置の普及率を30%まで向上させ、歯科診断技術の向上を目指す考えだ。

なお、同機器の製造は医療機器部品製造を行う株式会社アクシオン・ジャパンが担う。国内での薬事申請は2017年9月、製品販売は2018年3月を、中国・東南アジアでの薬事申請は2018年3月、製造販売は2019年3月を予定している。

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