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スギ花粉症に対する減感作療法薬「TO-206」を承認申請-鳥居薬品

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2016年01月05日 AM11:00

保存上の課題含め、利便性を向上

鳥居薬品株式会社は2015年12月25日、スギ花粉症に対する減感作療法()薬「)」について、厚生労働省に製造販売承認申請を行ったと発表した。

同社は、2014年10月よりスギ花粉症に対する減感作療法薬として、「シダトレン(R)スギ花粉舌下液」を販売しているが、冷所での保存(2~8℃)が必要であることなどの課題もあった。そのため、今回申請を行ったTO-206については、保存上の課題を含め、利便性などを高めた舌下錠として開発を進めてきたという。

スギ花粉症とは、スギ花粉によって生じるアレルギー疾患の総称で、体の免疫機構が花粉に過剰に反応し、くしゃみ、鼻汁、鼻づまり、眼のかゆみ、涙目などの症状が現れる。全国調査によると、国民のおよそ20%が花粉症に罹患しており、うち約70%はスギ花粉症であると推察されている(2010年厚生労働科学研究補助金免疫アレルギー疾患予防・治療研究事業)。

臨床試験でスギ花粉症状の軽減確認

減感作療法とは、アレルギー疾患の原因となるアレルゲンを、低濃度から投与し、高濃度へ移行させ、アレルゲンに対する過敏性を減少させる治療法。治療前に、症状がアレルゲンによるものかの確定診断が必要で、治療期間は3~5年に及ぶ。すべての患者に効果が期待できるわけではないという。

特に、舌下減感作療法は、患者が自宅で毎日服薬を続ける治療であるため、起こりうる副作用やその際の対応も含め、患者自身の治療法に関する十分な理解が重要になる。

今回、国内で実施した第2/3相臨床試験では、同剤の舌下投与によるスギ花粉症症状の軽減が確認されており、安全性及び忍容性に関して、特に問題は認められていないという。同社は、既に販売している「シダトレンスギ花粉舌下液」に加えて、TO-206がスギ花粉症の治療の選択肢を広げ、患者の治療に貢献できると期待している。

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