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関節リウマチ治療薬「オレンシア」、国内で国際共同第3b相臨床試験開始-小野薬品

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2015年12月22日 AM11:30

治療歴なく関節破壊の進行予測される関節リウマチ患者が対象

小野薬品工業株式会社は12月18日、ブリストル・マイヤーズ株式会社と共同開発している関節リウマチ治療薬「(R)」(一般名:(遺伝子組換え))について、未治療患者を対象とした国際共同無作為化二重盲検第3b相臨床試験であるAVERT-2(Assessing Very Early Rheumatoid Arthritis Treatment-2)試験を、国内で開始したことを発表した。

同試験は、日本を含む世界約30か国が参加し、メトトレキサートを含む疾患修飾性抗リウマチ薬および生物学的製剤による治療歴がなく、関節破壊の進行が予測される予後不良因子を有する関節リウマチ患者を対象に、オレンシア皮下注とメトトレキサートの併用療法と、メトトレキサート単剤の有効性と安全性を比較評価するもの。ACR/EULAR寛解基準(2011年)を用いた臨床的寛解、関節破壊の進行抑制、寛解状態に達した後の寛解維持などについて評価するとしている。

関節破壊の進行で苦しむ患者の選択肢拡大のステップに

同剤は、ヒト細胞傷害性Tリンパ球抗原-4(CTLA-4)の細胞外ドメインと、ヒトIgG1のFcドメインより構成された遺伝子組み換え可溶性融合タンパク質で、抗原提示細胞表面のCD80およびCD86に特異的に結合することで、T細胞の活性化を抑制し、関節リウマチの症候および症状、身体機能、健康関連の生活の質の改善作用を発揮する生物学的製剤。関節リウマチ治療薬として2005年12月に米国で初めて承認され、以降世界50か国以上で販売されている。日本では 2010年7月に点滴静注用として製造販売承認を取得し、2013年 6月には皮下注製剤としての承認を取得した。

関節リウマチは、関節に炎症をきたし、関節破壊を特徴とする全身性慢性炎症性疾患であり、慢性的な痛み、こわばり、腫脹などを伴う。身体の動きが制限され、関節機能が低下する。女性の発症率が高く、患者の75%を女性が占めるという。現在の国内の患者数は70~80万人と推計されている。

小野薬品工業は、オレンシアは関節リウマチにおける炎症発生の上流を抑制する新規作用機序の薬剤であり、今回の臨床試験が関節破壊の進行で苦しむ患者の選択肢拡大へのステップとなることが期待されるとしている。

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