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慢性疲労症候群、認知行動療法と段階的運動療法に肯定的な結果示される

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2015年12月07日 AM10:00

慢性疲労症候群に長期的な症状緩和をもたらす治療法

一部の慢性疲労症候群の患者で、2つの治療法が有益であることが新たな研究で示された。慢性疲労症候群は、休息しても改善されない極度の疲労が6カ月以上続き、日常の活動にも支障が出る疾患。研究著者の1人で英オックスフォード大学(イングランド)教授のMichael Sharpe氏によると、現時点では有効な薬剤治療はないという。


画像提供HealthDay

Sharpe氏らは2011年、1年間にわたる研究の結果、認知行動療法と段階的運動療法に肯定的な結果が認められたと報告した。今回の新たな結果は、その被験者641人のうち4分の3をさらに追跡することにより得られたもので、2年半が経過しても、この2つの治療法が一部の患者に有効であることが明らかにされた。この知見は「The Lancet Psychiatry」オンライン版に10月27日掲載された。

今回の研究では、被験者を無作為に4つの群に分け、1群には標準治療を実施し、他の3群では標準治療に加え、(GET)、(CBT)、適応ペーシング療法(APT)のいずれかを併用した。問診票による追跡の結果、GETおよびCBTでは、標準治療のみまたは標準治療とAPTの併用に比べて大幅な症状の軽減がみられ、身体機能の改善や疲労感減少の効果は、治療から2年以上経過しても持続していた。完全に回復したという患者も少数みられた。

このような治療効果を最大に得るための鍵は、まず一定の活動レベルを達成したうえで、徐々に活動量を増やしていくことだとSharpe氏は述べている。

CBTでは、カウンセラーが弛緩訓練や催眠術、脱感作などの手法を用いて患者が前向きに問題に対処するのを補助することで、徐々に患者の活動量が高まるよう誘導した。GETでは患者個人に合わせた運動計画を指導し、緩やかなストレッチなどから始めて徐々に運動時間を増やすことにより、「疲労で何もできない」という考えをなくすことを目指した。一方、APTでは、疲労の徴候を判断し、行動を変えることによって疲労を完全に避けようとする方法だという。

米コロラド大学医学部准教授のJim Pagel氏は、CBTは慢性疲労症候群によくみられる不眠症や抑うつに効果があることからも、有用だと考えられると指摘する。慢性疲労症候群は原因不明の疾患で、通常40~50歳代に発症し、女性に多くみられる。持続的な疲労が何年も続くこともあり、関節痛、不眠、リンパ節腫大、記憶力や集中力の障害を伴うことも多い。(HealthDay News 2015年11月23日)

▼外部リンク
Chronic Fatigue Therapies Provide Some With Long-Term Relief

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