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実臨床における「プラザキサ」の安全性と有効性を裏付ける解析結果を発表-独ベーリンガー

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2015年11月19日 PM12:15

投与中における脳卒中と大出血の発現率を調査

ドイツのベーリンガーインゲルハイムと米国のブリガム・アンド・ウィメンズ病院は11月10日、「(R)」(一般名:ダビガトランエテキシラート)の安全性と有効性について、実臨床で従来からの標準治療薬であるワルファリンと比較・評価した長期試験の新たな中間解析結果を発表した。この結果は、2015年米国心臓協会(AHA)学術集会で発表されている。

プラザキサは、心房細動患者における脳卒中発症抑制を適応とする経口抗凝固薬。今回の試験の主要評価項目は、同剤およびワルファリン投与中における脳卒中と大出血の発現率で、2つの健康保険データベースの計44,672人の非弁膜症性心房細動患者から32か月間(2010年10月~2013年6月)かけて得られたデータを評価したものである。

非弁膜症性心房細動患者において、標準治療薬より優れた結果に

脳卒中は、プラザキサ服用の患者で65件(100患者・年あたりの発現率0.73)、ワルファリン投与の患者では78件(100患者・年あたりの発現率1.08)が特定され、プラザキサ群ではワルファリン群と比べて脳卒中が28%抑制されていた。さらに、大出血イベントは、プラザキサ服用の患者で395件(100患者・年あたりの発現率4.47)、ワルファリンの投与を受けた患者では459件(100患者・年あたりの発現率6.42)みられ、プラザキサ群ではワルファリン群と比べて大出血イベントのリスクが26%抑制されていたという。

消化管大出血は、プラザキサの投与を受けた患者で238件(100患者・年あたりの発現率2.69)、ワルファリンの投与を受けた患者では213件(100患者・年あたりの発現率2.97)あった。

同社は、これらのデータにより、同剤が心房細動患者における脳卒中発症リスク抑制の点でワルファリンより優れ、また特異的中和剤を持つ唯一の非ビタミンK阻害経口抗凝固薬()として、その価値がさらに裏付けられたと考えられると述べている。

また、同社とブリガム・アンド・ウィメンズ病院は今後、共同で実施しているこの長期試験プログラムを通して、米国で10万人以上の非弁膜症性心房細動患者のデータを集めることを目指すとしている。

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