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少量多品種生産に対応したバイオ抗体原薬生産プラントを浮間工場に新設-中外製薬

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2015年10月27日 AM06:00

製造能力倍増による複数品目同時開発への対応を目的として

中外製薬株式会社は10月22日、少量多品種に対応した後期開発用治験薬および初期商業用のバイオ抗体原薬生産プラントを、生産子会社である中外製薬工業株式会社の浮間工場(東京都北区)に新設することを決定したと発表した。


画像はリリースより

同社は、F. ホフマン・ラ・ロシュ社との戦略的アライアンスのもと新薬開発を行っており、2012年に独自の抗体改変技術による新薬創製に特化した研究拠点Chugai Pharmabody Research 社(CPR)をシンガポールに設立。さらには、自社開発プロジェクトの価値最大化のため、ロシュ社との自社製品導出契約の一部変更や、トランスレーショナルクリニカルリサーチ本部の設立など、さまざまな変革を進めてきた。

これらの活動を通じ、今後は今まで以上に革新的な開発品が継続して創出されることが期待される。これに対応すべく、治験薬生産設備の拡充も進めており、浮間工場ではバイオ医薬品の製造能力倍増による複数品目同時開発への対応を目的として、2013年から2015年までに総額29億円の設備投資計画を実施してきた。

この生産設備増強が円滑に稼働していることから、その先の商用生産を見据えた生産能力を拡充させるべく、今回新たにバイオ抗体原薬生産プラントを新設する設備投資を行うことにしたという。

製法開発から初期商業用まで、バイオ抗体原薬生産の一貫体制整う

今回の設備投資により6,000L培養槽6基が新設。浮間工場は、現有する2,500L×2基、2,000L×4基とあわせ計49,000Lの培養槽を保有することとなり、製法開発から治験薬用および初期商業用のバイオ抗体原薬生産の一貫体制が整う。着工は2016年1月を予定しており、現在旧建築物の解体を実施中。この設備投資に伴う、総投資額は約372億円の予定だという。

新プラントの設立により、後期開発用治験薬および初期商業用のバイオ抗体原薬の生産を、少量多品種でシームレスに実現することが可能となる。複数品目の同時開発に対応するとともに、新薬の開発から上市までに要する時間を最小限に留めることで、グローバルトップレベルの競争力を目指していきたいと同社は述べている。

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