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Nanostimリードペースメーカの国内治験開始を発表-SJM

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2015年10月26日 AM06:00

植え込み後にも摘出可能なリードペースメーカ

セント・ジュード・メディカル株式会社は10月21日、薬事承認取得を目指し、「Nanostim(TM)リードレスペースメーカ」の安全性及び有効性を評価する「The LEADLESS Japan治験」における最初の患者登録を行ったと発表した。


画像はリリースより

同治験は、同製品の安全性および有効性の評価を目的とする、前向き単一群多施設試験。筑波大学附属病院、、東京女子医科大学病院の3施設で約30例の被験者登録を予定しており、すでに植込み後に摘出可能かつ低侵襲のリードレスペースメーカの世界初の植込み手術が、筑波大学附属病院循環器内科の青沼和隆教授により行われている。

同製品は、2013年にCEマークを取得。CEマーク取得後は複数の欧州諸国で植込み手術が行われ、米国、カナダ、オーストラリアでは2014年2月からThe LEADLESS II試験が開始されている。この試験は、米国食品医薬品局(FDA)薬事承認取得を目指したもので、2015年8月にはThe LEADLESS II 試験の初期結果により、同製品有効性が認められ、初期のデータから、一定期間植込み後の摘出も可能であることを実証、また長期の電池寿命が期待できることが示唆されている。

生活制限がないため患者のQOL向上に期待も

同製品は侵襲性の高い手術を要する従来のペースメーカと異なり、手術・医療処置などで生体を傷つけたり、損傷が生じにくい手術で心臓内に直接植込みできる設計だ。従来のペースメーカでは、皮下ポケットを外科的に作成する必要があり、それが目に見える状態であったり、瘢痕が残ったり、リードを使用したりする必要があったが、そのような必要なく留置が可能だという。

また、操作可能なカテーテルを用いて大腿静脈からのアプローチで植込みを行うこのデバイスは、摘出可能であるため、植込み手術中に容易に位置を変更することができ、必要に応じてその後に摘出することもできる。

従来のペースメーカでは植込み部位に目に見えるしこりや瘢痕が残る場合があり、リードの位置ずれや損傷を防ぐために患者は活動制約が余儀なくされていた。しかし、このペースメーカではそのいずれも生じないため、この技術により、多くの患者が制限のない生活を継続できるようになり、患者のQOLを向上できる可能性があると期待されている。

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