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ESD用のディスポーザブル高周波ナイフ「FlushKnife BT-S」を新発売-富士フイルム

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2015年10月08日 PM12:15

患者の身体的負担が少ない内視鏡的粘膜下層剥離術に使用

富士フイルム株式会社は10月5日、患者の身体的負担が少ない低浸襲治療の1つである「」(ESD)用処置具として、ディスポーザブル高周波ナイフ「FlushKnife BT-S」を発売することを発表した。同製品は、11月16日より富士フイルムメディカル株式会社を通じて発売される予定。


画像はリリースより

近年、食道・胃・大腸など消化器疾患の分野では、早期がんを内視鏡で観察しながら切除する「内視鏡的粘膜切除術」(Endoscopic Mucosal Resection)や、粘膜下層を切開・剥離するESDといった患者の身体的負担の少ない低侵襲治療が注目されている。ESDは、手元操作でスコープ先端と処置具を正確にコントロールしながら、処置具の先端部に高周波電流を通電させて病変部を切開・剥離するなど、非常に高度な技術が要求される治療法である。このため、ESDのさらなる普及には、より処置性、操作性が高い処置具が必要とされていた。

細径化により、体液などを鉗子口から吸引する性能が向上

ディスポーザブル高周波ナイフ「FlushKnife BT」シリーズは、通電により病変部の粘膜下層をスムーズに切開・剥離できるESD用処置具。ナイフの先端にボールチップを搭載することで、病変部に引っかけやすく、また高い送水機能も備えている。

今回発売する「FlushKnife BT-S」は、手元部のシース径を従来シリーズよりも1割以上細径化したもの。鉗子口径に占めるシース径の割合を小さくすることで、治療時に鉗子口から吸引した体液などが通る空間が拡がって、スムーズに流れるようになり、吸引性能を向上させることが期待できるという。

さらに、先端径は細径化せず、従来シリーズと同じ太さを維持することで、鉗子口から本製品を突出させて使用する際に鉗子口内でのブレを抑えるという。また、ナイフ先端からの送水で、ナイフに付着した病変などの組織を手技の途中で洗浄してナイフの切れ味を維持する送水機能を搭載。消化管内の粘液や出血を送水により除去できるため、病変の処置効率の向上が期待される。

そして、有効長を従来シリーズの1,800mmから2,000mmに延長したことにより、上部消化管用のスコープに加え、挿入部が長い大腸スコープなど下部消化管用スコープでの処置にも使えるようになったという。

同社は、今回の同製品をラインアップに加え、患者の身体的負担をやわらげる低侵襲な内視鏡下手術の普及をサポートしていきたいとしている。

▼関連リンク
富士フイルム株式会社 ニュースリリース

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