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薬剤投与のためのカテーテル挿入、鎖骨下静脈への挿入が最も低リスク

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2015年10月05日 AM10:00

太いカテーテルの挿入は鎖骨下静脈がベスト

集中治療室(ICU)で薬剤投与のため患者にカテーテルを挿入する必要がある場合、鎖骨下静脈への挿入が最も血液感染や凝血のリスクが低いことが、新たな研究で明らかにされた。鼠径部の大静脈や首の頸静脈に挿入した場合に比べ、リスクが2分の1から3分の1に低減すると研究グループは報告している。


画像提供HealthDay

「カテーテルをどの部位に挿入すれば生命にかかわる感染症のリスクを最も低く抑えられるのかについては、議論が続いていた」と、主任研究員である米Lifespan社(ロードアイランド州プロビデンス)のLeonard Mermel氏は話す。感染症は通常、挿入するカテーテルに皮膚の細菌が付着し、血液中に入り込むことにより生じる。

カテーテルを鎖骨下静脈に挿入する難点の1つは、管が静脈を外れて肺に刺さり、気胸を引き起こすリスクがあることだという。今回の研究では、鎖骨下静脈にカテーテルを挿入した患者の1.5%、頸部に挿入した患者の0.5%に気胸が発生した。Mermel氏は、鎖骨下静脈への挿入が望ましいものの、処置をする人の熟練度に依存する部分が大きいと指摘し、合併症を避ける方法の1つは超音波ガイドを用いることだと付け加えている。

研究を率いたフランス、Cote de Nacre大学病院(カン)生物統計学・臨床研究部のJean-Jacques Parienti氏は、「挿入時の機械的合併症のリスクを低減するために最善を尽くすことを前提とすれば、この(鎖骨下の)経路は患者にとって最も安全だといえる」と述べている。

今回の研究では成人ICU患者3,000人超を、頸静脈、、大腿静脈のいずれかにカテーテルを挿入する群に無作為に割り付けた。報告は「New England Journal of Medicine」に9月24日掲載された。

この報告を受け、米レノックス・ヒル病院(ニューヨーク市)のMark Astiz氏は、「この結果は既存の報告に一致するものだ」と指摘している。米ニクラウス小児病院(マイアミ)のAnthony Rossi氏は、鎖骨下静脈への挿入で血液感染症リスクが生じにくい理由について、鎖骨部の皮膚は頸部や鼠径部に比べて細菌が少ないためだと説明している。また、胸部は他の部位よりも動きが少ないため、鎖骨下のカテーテルは固定されやすく、清潔な状態を維持しやすいという。

「(気胸で)死ぬことはほとんどないが、血液感染症の死亡率は40%以上にもなり、重篤な状態では治療も難しい」と同氏は指摘している。(HealthDay News 2015年9月23日)

▼外部リンク
Placing Large Catheter in Vein Under Collarbone Best, Study Finds

HealthDay
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