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副作用の報告遅延問題でファイザー、ブリストルが社内調査結果を公表

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2015年09月03日 AM11:00

スーテント145症例、インライタ26症例など212症例において報告が遅延

重篤な副作用症例を定められた期限内に医薬品医療機器総合機構に報告していなかった問題で、医薬品医療機器法第72条の4第1項の規定に基づき、厚生労働省より業務改善命令を受けたファイザー株式会社は9月1日、経緯ならびに再発防止の対策を公表した。

今回の報告遅延問題は、同社のオンコロジー製品の有害事象症例が、同社安全管理統括部門に報告されていない可能性があることを、2015年2月2日に厚生労働省に報告したことに端を発するもの。その後、全社に渡って確認作業を実施した結果、スーテント145症例、インライタ26症例、トーリセル23症例、トビエース5症例、リウマトレックス4症例、ザイボックス3症例、2症例、2症例、ブイフェンド2症例、プロジフ1症例、リリカ1症例の計212症例において、定められた期限内にPMDAに報告していなかったことが判明した。

なお、今回の症例が当該製品の安全性に与える影響を慎重に評価した結果、当該製品の安全性に新たな懸念事項は認められず、使用上の注意を改訂する必要はない、としている。今回の業務改善命令について、同社の梅田一郎代表取締役社長は、

「弊社はこのたびの事態を重く受け止めており、関係するすべての皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。再びこのような事態が起こることがないように必要な対策を講じ、弊社の事業活動に関わる全ての法令の遵守を徹底してまいります。また、患者さんの安全を何よりも最優先に考え、関連法令の徹底遵守のみならず、社員に対する弊社内の関連規則および業務手順の再教育を通じて、継続して弊社製品の安全性と有効性を監視していく所存です」(プレスリリースより)

とコメントした。

ブリストルでも30症例42件の副作用報告遅延例

厚生労働省は同日、今年2月24日に全ての第一種医薬品製造販売業者に対して指示していた、製造販売後安全管理業務に係る社内体制及び未報告の副作用情報の有無に関する自主点検の結果を公表。自主点検の結果、・マイヤーズ株式会社30症例(42件)、藤本製薬株式会社6症例(6件)、セルジーン株式会社5症例(6件)、ヤンセンファーマ株式会社4症例(14件)、武田薬品工業株式会社1症例(1件)、計46症例(69件)の未報告の副作用情報が見つかったと報告している。

ブリストル・マイヤーズは同日、「医療用医薬品の副作用報告の遅延について」と題するリリースを公開。同社の社内調査の結果、医薬品適正使用推進を目的とした講演会で使用された医師作成の医療関係者向けの発表資料の中に、30症例42件の副作用報告遅延例があったとしている。なお、これら30症例42件に、死亡例は含まれていない。

今回の件について同社では、

「弊社はこのたびの事態を重く受け止めており、関係するすべての皆さまに多大なるご心配とご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。再びこのような事態が起こることがないように必要な対策を講じ、弊社の事業活動に関わる全ての法令の遵守を徹底してまいります。また、患者さんの安全を何よりも最優先に考え、関連法令の徹底遵守のみならず、社員に対する弊社内の関連規則および業務手順の再教育を通じて、継続して弊社製品の安全性と有効性を監視していく所存です」(プレスリリースより)

としている。(QLifePro編集部)

▼関連リンク
ファイザー株式会社 プレスリリース
ブリストル・マイヤーズ株式会社 プレスリリース
厚生労働省 報道発表資料

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