医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > 医薬品・医療機器 > アルツハイマー病治療薬候補の第1b相試験について、新たな解析結果を発表-米バイオジェン

アルツハイマー病治療薬候補の第1b相試験について、新たな解析結果を発表-米バイオジェン

読了時間:約 1分43秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年08月17日 PM01:30

Neurimmune社からライセンス取得した「

米国のバイオジェンは7月22日、ワシントンDCで開催された2015年国際アルツハイマー病会議(AAIC(R)2015)で、アルツハイマー型認知症治療薬候補「Aducanumab」(BIIB037)の第1b相試験の中間解析結果を発表した。

Aducanumabは、現在同社が開発中のアルツハイマー型認知症治療薬候補。Reverse Translational Medicine(RTM)と呼ばれるNeurimmune社の技術基盤を活用し、認知障害の兆候がない健康な高齢者ドナーと、認知障害はあるが認知機能の低下が非常に緩やかな高齢者ドナー集団からスクリーニングされたヒト型遺伝子組換モノクローナル抗体(mAb)である。同社は共同開発およびライセンス契約に基づき、Neurimmune社から同剤のライセンスを取得していた。

第1b相無作為化二重盲検プラセボ対照反復投与試験であるPRIME試験では、前駆期もしくは軽度のアルツハイマー病患者を対象に、同剤の安全性、忍容性、薬物動態(PK)、薬力学(PD)、臨床効果を評価している。被験者の内訳は1mg/kg群(n=31)、3mg/kg群(n=33)、6mg/kg群(n=30)、10mg/kg群(n=32)、プラセボ群(n=40)となっている。

投与量6mg/kg群の54週間のデータを追加

1mg/kg群、3mg/kg群、10mg/kg群について、2015年3月に発表した解析結果では、54週間経過した時点でプラセボ群と比べて、アミロイドβが用量と時間に応じて減少し、症状悪化が抑制。6mg/kg群については26週間までのデータが報告され、プラセボ群に比べてアミロイド斑が減少していた。

今回、AAICで発表された解析結果には投与量6mg/kg群の54週間のデータが加わった。前回発表済みの解析結果と同じく、脳内アミロイドβの減少が統計学的に有意であることが示されたという。また、探索的な解析では、ミニメンタルステート検査(MMSE)と臨床的認知症重症度判定尺度(CDR-SB)で評価されたとおり、6mg/kgの投与で症状悪化の抑制が認められたが、十分に有意ではなかったとしている。プラセボ群とすべてのaducanumab投与群を対象とした解析では、症状悪化の抑制は用量依存的であり、この用量依存性は上記のどちらの評価尺度においても統計学的に有意だった。

前駆期もしくは軽度のアルツハイマー病患者に対して、同剤が画像上もしくは臨床上の評価において、許容可能な安全性プロファイルと有望な有効性を示すものであり、これは前回の発表結果を裏打ちする結果だという。なお、同試験は現在も継続中。そのほか、用量漸増法による試験も進行中としている。

▼関連リンク
バイオジェン・ジャパン株式会社 プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 医薬品・医療機器

  • 全身型重症筋無力症治療薬ヒフデュラ配合皮下注を発売-アルジェニクス
  • バビースモ、網膜色素線条P3試験で主要評価項目達成-中外
  • 婦人科疾患の診断や不妊治療に有用な免疫検査パネルを発売-シスメックスほか
  • 新型コロナの次世代 mRNA ワクチン「コスタイベ筋注用」、国内第Ⅲ相試験で既存オミクロン株対応2価ワクチンに対する優越性検証を達成-Meiji Seika ファルマ
  • SGLT2阻害薬、糖尿病関連腎臓病の進行を抑える新たな仕組みを発見-岡山大ほか