医療従事者の為の最新医療ニュースや様々な情報・ツールを提供する医療総合サイト

QLifePro > 医療ニュース > テクノロジー > 光トポグラフィを用いたADHDの客観的診断方法の基礎を確立-自治医大

光トポグラフィを用いたADHDの客観的診断方法の基礎を確立-自治医大

読了時間:約 1分12秒
このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年07月09日 PM12:30

ADHDの中心症状を個人レベルで可視化に成功

自治医科大学は7月7日、同大小児科と中央大学らの共同研究グループが、光を用いた無侵襲の脳機能イメージング法である光トポグラフィを利用して、注意欠如・)の中心症状(落ち着きがない・待てない)を個人レベルで可視化することに成功したと発表した。


画像はリリースより

従来、ADHDの診断と治療効果の検討は行動観察が中心であり、子どもらしさと症状の判別が困難であった。その結果として気づきの遅れにつながり、学習の遅れや引きこもりなど、さらなる問題を生じる可能性が高まっており、ADHDの症状を判別するための客観的な手法が求められていた。

他施設の大規模調査を行い、実際の診断利用への足がかりへ

同グループが行った実験では、「落ち着きがない、待てない」などのADHDの症状をはかるのに適した行動抑制ゲーム(Go/Nogo課題)約6分間を6~14歳のADHD児30名、定型発達児30名に行い、施行中の脳活動変化を光トポグラフィによって計測。その結果、定型発達児の右前頭前野で脳活動の上昇がみられたが、ADHD児ではみられなかったという。

右前頭前野は、行動抑制機能に最も関与するといわれる領域だ。そこで、脳活動変化を反映する酸素化ヘモグロビン値に「基準値」を設定したところ、ADHD児を感度・特異度ともに80%以上という高い精度で判別できることが確認できたという。感度80%とは、10人のADHD児のうち、8人を見逃さずに検出でき、一方特異度80%とは、ADHDでない児童が10人いた場合、そのうち8人をADHDでないと判別できる状態をいう。

同グループは今後、この計測システムをより使いやすいものにするとともに、実際の診断での使用できるかどうかを慎重に判断するために、大規模な調査を行う予定。なお、同研究成果は臨床脳神経科学専門誌「NeuroImage: Clinical」に掲載される。

▼関連リンク
自治医科大学 プレスリリース

このエントリーをはてなブックマークに追加
 

同じカテゴリーの記事 テクノロジー

  • スマホアプリ「ドライアイリズム」、良好なドライアイ診断精度を示す-順大ほか
  • 世界初・皮下のループ状毛細血管を可視化、開発した高性能光音響顕微鏡で-東北大ほか
  • 内視鏡腎結石治療、人工知能搭載ロボットで治療成績改善の可能性-名古屋市立大ほか
  • 食道がん、術前放射線治療による局所制御を高精度に予測するAIシステムを開発-広島大
  • 超小型広視野角監視カメラBirdViewを開発、ロボット支援手術の安全性向上-愛媛大ほか