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ADHD治療薬で閉経期女性の「実行機能」が改善か

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2015年06月19日 AM10:00

ADHD薬が閉経期症状にも有用

注意欠陥多動性障害()に対して処方される中枢神経刺激薬Vyvanse (一般名:リスデキサンフェタミン、日本未承認)が、閉経期女性の「実行機能」(記憶、推理、並行作業、計画、問題解決などの脳活動)の改善にも有用であることが、新たな研究で示された。


画像提供HealthDay

閉経期症状としてほてり、月経不順、不眠症などはよく知られているが、認知力の変化も大きな問題だと、米プロビデンス・セントジョンズ健康センターのSheryl Ross氏は説明している。

「Psychopharmacology」オンライン版に6月11日掲載された今回の研究では、女性32人に、Vyvanse 40~60mgまたはプラセボのいずれかを4週間投与。被験者は閉経期または閉経直後の45~60歳の女性で、ADHDの既往はないが、研究実施時の症状評価で実行機能の障害が認められた。記憶力と注意力についても検査を実施した。4週後、2週間の休止期間を置いてプラセボ群と実薬群を入れ替え、さらに4週間投与した。

その結果、Vyvanseを服用している間は、症状に関するスコアおよび記憶力・集中力に関する3つの検査のスコアがいずれも良好であることがわかった。

米オレゴン健康科学大学のNicole Cirino氏は、この研究結果を受けて「閉経期の女性にみられるさまざまな認知、気分、身体的症状に対する別の治療法が検討されることは心強い」とコメントしている。

多くの女性が閉経期症状にホルモン補充療法を用いているが、それが精神機能に対してどの程度効果があるかについては見解の一致をみていないと、米カンザス大学医療センターのKevin Ault氏は話す。さらに、ホルモン療法は快適に利用できる女性ばかりではなく、別の疾患があって利用できない女性もいる。

今回の研究では、Vyvanseの服用中に血圧と心拍数の上昇がみられたが、全体として正常範囲内であった。その他の副作用は報告されていない。これまでにわかっている同薬の副作用は、、神経過敏、めまい、皮膚感覚の麻痺、不整脈、頭痛、吐き気、嘔吐、体重低下、食欲不振など。また、心疾患や薬物依存の既往のある人には使用すべきではないという。慎重に使用しないと依存性を生じやすく、不安障害などの一部の気分症状を悪化させる可能性もあると、Cirino氏は指摘している。

Vyvanseの30日分の費用は、米国では保険なしで200~250ドルとなると思われる。大手薬局で入手できるが、米国食品医薬品局(FDA)は閉経期女性の使用について承認していない。(HealthDay News 6月12日)

▼外部リンク
Could ADHD Drug Find New Role in Menopause?

HealthDay
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