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分娩後の3分間が男児の発育に影響を与える?

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2015年06月11日 AM10:00

臍帯結紮を遅らせると児の発達が向上

分娩後に臍帯を結紮する前に約3分待つことにより、4歳時の児の微細運動技能および社会的技能が向上することが、スウェーデンの研究で示された。結紮を遅らせると胎盤から新生児への胎児血液の流れが持続し、それにより生後4~6カ月までの鉄濃度が向上して発達上の問題を予防できると考えられるという。


画像提供HealthDay

研究の筆頭著者であるスウェーデン、ウプサラ大学のOla Andersson氏によると、心理学者が検査を実施した結果、小児の知能には差がみられなかったが、臍帯結紮を遅らせた群は微細運動技能が高く、社会的技能にも優れる傾向がみられたという。特に男児では便益が大きく、その理由は男児のほうが鉄欠乏症になりやすいためだと考えられる。この研究は「 Pediatrics」オンライン版に5月26日掲載された。

米国疾病管理予防センター()によると、鉄欠乏は米国で最もよくみられる欠乏症であり、乳幼児の運動調節および精神面のいずれの技能にも発達遅延をもたらすリスクがあるという。米国では1~2歳の幼児の約16%が鉄欠乏であり、一部の開発途上国ではその比率が劇的に増えるとAndersson氏は指摘する。

今回の研究では、スウェーデンの同じ病院で出生した260人を超える小児を対象に、臍帯結紮の時期による影響を評価した。標準的な時間(分娩後約10秒)に結紮を行う群と、3分待って結紮を行う群のいずれかに乳児を無作為に割り付け、4歳になった時点で発達検査を実施した。

その結果、結紮を遅らせた男児は、すぐに結紮を行った男児に比べ、微細運動(鉛筆を持つなど)に優れ、向社会的行動が多くみられることがわかった。しかし、女児には差は認められず、男女ともにIQ値には差はみられなかった。

過去の研究では、結紮を遅らせた場合に新生児の黄疸が強くなる可能性が示されているが、今回の研究を含めた近年の研究ではそのような所見はみられないという。付随論説の著者の1人である英ロイヤルアレクサンドラ小児病院のHeike Rabe氏は、「出生時に胎盤から余分な血液を受け取ることが、正期産のあらゆる乳児に有益であることを示すエビデンスが増えている」と述べている。

米国では多くの産院はすでに臍帯結紮を遅らせる手法を取り入れているが、その便益は特に開発途上国で重要なものであり、鉄濃度の改善によって生後1カ月以内の感染症も予防できる可能性があると同氏は指摘している。(HealthDay News 5月26日)

▼外部リンク
Delaying Umbilical Cord Clamping Might Boost Child Development

HealthDay
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