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「ヒュミラ」の強直性脊椎炎に関する承認条件の解除を発表-アッヴィとエーザイ

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2015年06月02日 PM01:45

強直性脊椎炎の効能・効果承認時、全例調査の実施が条件に

アッヴィ合同会社とエーザイ株式会社は5月29日、ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「(R)皮下注 40mg シリンジ 0.8mL」(一般名: <遺伝子組換え>)について、強直性脊椎炎に係る効能・効果の承認条件となっていた特定使用成績調査(全例調査)に関し、厚生労働省から解除の通達を受けたと発表した。

ヒュミラは、関節リウマチをはじめ、既存治療で効果不十分な尋常性乾癬・関節症性乾癬・・多関節に活動性を有する若年性特発性関節炎などに係る効能・効果の承認を取得している。

強直性脊椎炎に関しては、2010年10月に効能・効果が承認され、「国内での治験症例が極めて限られていることから、製造販売後、一定数の症例に係るデータが蓄積されるまでの間は、全症例を対象に使用成績調査を実施することにより、本剤使用患者の背景情報を把握するとともに、本剤の安全性及び有効性に関するデータを早期に収集し、本剤の適正使用に必要な措置を講じること」が、承認条件として付されていた。

調査対象となった127人の患者データを解析

厚労省に提出した同調査結果は、2010年10月27日から2013年3月15日までに収集し、対象となった127人の患者のデータについて解析を行ったもの。調査の結果、副作用発現率は全体の27.6%(35/127例)であり、主な副作用は「発疹」「胃腸炎」「鼻咽頭炎」「肝機能異常」だった。また、重篤な副作用発現率は3.9%(5/127例)であり、「皮膚線維肉腫」「アナフィラキシーショック」「穿孔性胃潰瘍」「痔核」「ループス様症候群」が各1例だったという。全例とも、転帰は「回復」または「軽快」だった。

同剤の有効性の評価は、強直性脊椎炎の疾患活動性指標であるBath Ankylosing Spondylitis Disease Activity Index(BASDAI)及び全般改善度について行った。同剤を投与開始前と投与24週時にBASDAIの評価が行われた症例のBASDAI50反応率(BASDAIの値が投与開始前から50%以上改善した症例の割合)は、24週時50.0%(25/50例)だった。さらに、医師の主観的評価である全般改善度は、24週時で著効38.8%(38/98例)、著効+有効91.8%(90/98例)だったという。これのより、既存治療で効果不十分な強直性脊椎炎患者において、同剤投与による症状の改善が確認された。これらの解析結果は、これまでに確立された同剤の安全性および有効性を支持するものだったという。

日本において同剤は、アッヴィが製造販売承認を取得し、アッヴィとエーザイによる共同プロモーションを行っており、販売はエーザイが担当している。両社は今後も、引き続き同剤の適正使用の推進や、情報提供に努めていきたいとしている。

▼外部リンク
エーザイ株式会社 ニュースリリース

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