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開発中の「Baricitinib」、関節リウマチの症状改善で優越性を示す-米イーライリリー

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2015年02月26日 PM01:45

投与12週後のACR20反応率をプラセボと比較

米国のイーライリリー・アンド・カンパニーとインサイト・コーポレーションは現地時間2月23日、開発中の薬剤「」が、関節リウマチ患者に対する2つ目の第3相臨床試験(RA-BUILD試験)において、プラセボと比較し統計学的に有意な改善を示したことを発表した。


この画像はイメージです

同試験は、長期にわたる関節リウマチ治療において異なる段階にある3,000名以上の被験者にBaricitinibを投与するというという大規模な第3相プログラムの一部。RA-BUILD試験には、従来型疾患修飾性抗リウマチ薬(cDMARD)の少なくとも1つのcDMARDに効果不十分、または忍容性が低い中等度から高度疾患活動性関節リウマチの患者が含まれた。この試験で、Baricitinibは主要評価項目である投与12週後のACR20反応率がプラセボと比較して優越性を示したという。

主要5試験のうち、4試験が2015年末までに完了

Baricitinibは1日1回経口投与の選択的JAK1及びJAK2阻害剤。JAK依存性サイトカインは、多くの炎症性及び自己免疫疾患の病因と関連しており、JAK阻害剤が広範囲の炎症状態を示す疾患の治療に有益である可能性が示唆されている。キナーゼアッセイでは、BaricitinibはJAK3よりもJAK1及びJAK2に対して、約100倍の阻害効力を発揮したという。

インサイト・コーポレーションの医薬品開発および医学部長のRich Levy医師はプレスリリースで、

「治療の進歩にもかかわらず、多くの関節リウマチの患者さんは、疼痛、関節のこわばり、障害、そして関節損傷の進行といった活動性の関節リウマチの症状から解放されていません。第3相試験の結果は、Baricitinibが従来の薬剤で効果が認められなかった患者さんにとって、さらなる治療選択肢となり得ることを示唆しています」

と述べている。

なお、イーライリリーおよびインサイトは、1つ目のBaricitinibの第3相試験であり、主要評価項目を達成したRA-BEACONのトップラインデータを2014年12月に発表したが、2015年の学会ではRA-BEACONおよび今回発表したRA-BUILDの詳細データを発表する予定。同試験は主要な5試験のうち4試験が2015年末までに完了する見込み。

▼外部リンク
日本イーライリリー株式会社 プレスリリース

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