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慶大 血管進入が阻害される仕組みを解明

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2014年10月31日 PM07:00

網膜内部の神経細胞がVEGFを取り込み・消化

慶應義塾大学は10月24日、一部の臓器において血管が排除される仕組みを明らかにしたと発表した。これは、同学部電子顕微鏡研究室(機能形態学研究室)の久保田義顕准教授らによる研究成果で、「Cell」オンライン版に10月23日付で掲載されている。


画像はプレスリリースより

血管が組織へ侵入するためには、組織から放出される血管内皮細胞成長因子(VEGF)が血管に働きかけることが欠かせない。しかし、マウス網膜を使用して研究を行ったところ、網膜においては網膜内部に存在する神経細胞によって、VEGFが取り込み・消化されていることが明らかになったという。

糖尿病性網膜症などの病態解明や治療法確立に期待

血管進入が乏しい臓器のひとつである網膜に着目して明らかにされたもので、糖尿病性網膜症や加齢黄斑変性といった疾患の病態の解明や新しい治療法の確立につながることが期待される。

また血管は、組織に酸素や栄養を供給しており、がんの増大にも関連することが指摘されている。今回の研究成果をもとに、血管を排除する仕込みを促進する薬剤を開発することで、がんの進行を抑える治療法の開発にもつながる可能性があるとしている。

▼外部リンク
慶應義塾大学 プレスリリース

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