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慶大 「病院内移動支援システム」を開発

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2014年10月22日 PM04:45

スタッフ・患者の身体的・精神的負担解消を目指す

慶應義塾大学は10月14日、同大医学部の三村將教授、同大学院システムデザイン・マネジメント研究科の西山敏樹特任准教授が株式会社豊田自動織機と共同で、「病院内移動支援システム」を開発したと発表した。


画像はプレスリリースより

このシステムは、移動したい場所をモニタ画面で指定し座っているだけで目的地に送り届けてくれるという、病院内での患者移動支援システム。大規模病院内での移動における、患者と病院スタッフ、双方の負担軽減が目的。7月から慶應義塾大学病院で実施された患者の試乗評価では、良好な評価を得たとしている。

病院内では、病院スタッフが多くの時間と労力を患者の移動に割いているが、病院を訪れる高齢者や障害者をはじめとした患者にとっては、経路等の情報がわかりにくく不安感を覚えたり、補助者なしでは体力的に負担を感じることも少なくない。そこで研究チームは、こうした病院スタッフと患者の双方の身体的・精神的負担を解消する目的で、自動運転を行う電動の病院内移動支援システムを試作開発したという。

患者の80%以上が「普及時の利用を希望する」

同システムは、搭乗移動する移動用ユニットと運行を制御するソフトウエアおよび利用者が操作するためのステーション端末で構成されている。搭乗者はステーション端末で利用予約し、到着した移動用ユニットに乗れば、目的地まで自動で移動することができるという。移動中の運転操作は不要で、目的地の設定、移動中の経路変更、オペレーションの中止などは、車載タッチパネルで行える。速度は、時速1.2~1.8km程度で、前後75cmの範囲に障害物を検出すると減速して、25cm以内で緊急停止。また、乗車している人が足を少し前に出すだけでも停止することができるという。

実証実験では、約200名の患者が試乗し、80%以上が「普及時の利用を希望する」と評価。移動速度については、病院内の安全を考え、時速1.2kmをベースに走行評価を行ったが、「少し遅い」などの声があり、安全性を確認の上、移動区間の一部において、時速1.8kmに変更する対応したという。今後は、同システムは駅やショッピングセンターなど他施設での使用も考えられるという。(

▼外部リンク
慶應義塾大学 プレスリリース

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