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大塚製薬 国内ではおよそ40年ぶりの新規抗結核薬「デルティバ」を発売

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2014年09月16日 PM04:15

国内唯一の多剤耐性肺結核の薬剤として

大塚製薬株式会社は9月8日、成人における多剤耐性肺結核に対する治療薬として、新規抗結核薬「(R)錠50mg(一般名:)」を9月26日より国内で販売開始することを発表した。


画像はプレスリリースより

同剤は大塚製薬が創製した、日本においては約40年ぶりの抗結核薬の新薬。結核菌の細胞壁を構成するミコール酸の生成を阻害することによって殺菌効果を示すという、新しいメカニズムを有する。

今年4月には欧州委員会より、成人の多剤耐性肺結核の適応で販売承認を取得。現在、大塚製薬は欧州での使用を促進しており、今後は高蔓延国や、デルティバについて臨床試験を行ったエジプト、ラトビア、エストニアなどにおいても承認取得に努めるとしている。

既存の抗結核薬3剤以上に上乗せして使用

日本において、多剤耐性結核の治療成功率は40~70%、5年以内の死亡率は21.6%、10年以内の死亡率は36.7%となっており、その治療には旧来の抗結核薬を使用するしかなく40年以上も新薬がないため新しい治療法が望まれていた。主な原因として、日本では他のアジアの国と比較して、多剤耐性結核の中の超多剤耐性結核の比率が高いことがあげられるという。

デルティバは、結核治療の第一選択薬として長期間にわたり使用されるイソニアジド、リファンピシンに対して耐性を獲得した結核菌種に対して、特に強い効果を示すという。用法は、他の抗結核薬・デルティバについての感受性()を確認し、感受性を有する既存の抗結核薬3剤以上に上乗せして行うこととされている。(小林 周)

▼外部リンク
大塚製薬株式会社 プレスリリース

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